ゴーストリコン フューチャーソルジャー:プレイレビュー1

山岳地帯に進入する武器密輸組織の車輛を待ち構えていた米軍特殊部隊 ゴースト。「ゴーストリコン フューチャーソルジャー」(以下、「GRFS」と記載) のストーリーモードの全てはここから始まる。
さて、前回の投稿ではGRFSの全体的なご紹介をおこなったが、今回・次回の2回に分けて特集するのは、主にストーリーモードにおける GRFS の楽しみ方についてとなる。前作「ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2」以来 実に 5年 ぶりの新作となる今作では、たっぷりと熟成されたストーリーと、圧倒的なビジュアルによる近未来戦闘がプレイヤーの参戦を待ち受けている。
ストーリーモードのイントロ部分では、武器密輸組織を追い掛けていたゴーストが、仕掛け爆弾で全員死亡するという惨劇からのスタート。「ゴーストは死者の再来である」とあるように、再結成されたゴーストは武器密輸組織の行方を追い掛ける。

最初のミッションではシンプルに小銃火器のみでの攻略が設定される。プレイヤーが携行出来る武器は「ガンスミスモード」で様々にカスタムすることが可能だ。ここでは、メインアームやサイドアームの他に、センサーや手榴弾の装備選択がおこなえる。当初の間はそれほど多くの種類からは選べないが、ゲームの進行に応じて武器や装備が徐々にアンロックされる。このガンスミスモードで選択できるバリエーションは実に2,000万通り。Kinect 対応により、コントローラーを必要とせずジェスチャーのみでカスタマイズが可能となっており新鮮な感覚だ。Kinect のセンサーでは 1.8m ~ 3m 程度の距離をあける必要があるが、是非一度部屋の中を整理してチャレンジして見てもらいたい。
続いて設定されたミッションでは、サイレンサーを装着した武器を携え、目標地点まで見付からずに侵入するという内容。如何に見つからずに忍び込めるかがカギとなる。相手の注意が逸れている瞬間を見計らって動き、障害物に身を隠すことで発見される確率がぐんと低くなる。
そして敵の中に、グループから離れて監視する者が居れば、迷い無く葬り去る。この時に人知れず離れた場所から殺害することができるサイレンサーの威力を発揮することになる。

そして密輸組織のへの手掛かりを握る人物、「ガブリエル・パエズ」を捕獲したゴースト。プレイヤーは、パエズをVIPに見立て、迫り来る敵脅威を排除し速やかに現場からの離脱を図らねばならない。左手では VIP を鷲掴みにし、右手で握るハンドガンのみで乗り切るミッションとなる。こうした特殊な設定での戦闘を楽しむことができるのも、ストーリーモードならではと言ったところ。
パエズを尋問する中で手に入れた情報の中には、次へと繋がるものが含まれていた。次なる闘いの舞台は「アフリカ」となる。再び長い戦いの幕開けとなる・・・。

ニカラグアでの武器密輸は一部に過ぎず、他の一部はザンビアに向けられていた。ザンビアの武器密輸には「戦争屋」で戦争犯罪人の デデ・マカバ が関係しており、アンゴラから国境を越えてザンビアの難民キャンプの中に紛れている。何よりも優先すべき事態は物資 (密輸武器) の出所となる。マカバを捕獲し、物資の出所を探るべく、白昼での作戦がおこなわれる。

この面では「光学迷彩」のアドバンテージが如何なく発揮される。闇夜での作戦であればいざ知らず、白昼堂々とした中で敵から受ける攻撃を減らすにはもってこいのハイテク装備だ。実在の兵器産業の中では現在のところ兵士が着用する戦闘服レベルでの実現化には至っていないが、車輛レベルでのカモフラージュとして光学迷彩の一部実現化の動きがみられる。

GRFS を代表する先進装備の1つと言っても過言ではない光学迷彩は、白昼でも相手に悟られず行動できる優れたパフォーマンスを持つが、武器の発射や素早い行動には対応できない。また攻撃を受けてしまった際には、効力が一時的に解除されてしまうので、使用するシーンを十分に念頭に置く必要がある。
そしてもう 1つ この面でフィーチャーされる装備を紹介する。「マグネティック・ビューワー」と呼ばれる装備では、武器や周囲に隠された地雷などの金属物質を探知することができる。隠れている敵が携行する武器にも反応するので、状況に応じて実戦投入してみるとよい。
どの面でも言えることではあるが、マップに応じた最適な武器をチョイスすることが最も重要となる。次なる闘いの地が、どんなであるのか?入り組んだ場所で取り回し重視した武器が良いのか、はたまた砂漠のように開けた土地で射程を長く必要するのか、といった具合で地形や環境に応じて銃器を選択する必要がある。そして GRFS では、従来の戦闘アクションゲームと違って、銃器本体と主要パーツのカスタマイズだけでなく、バレルやハイダー、トリガー、マガジン、ストックなどあらゆるパーツを自分好みに取り換えることができる。是非様々にチャレンジしてもらいたい。

さて、ゴーストが侵入したキャンプでは、人道的配慮の欠片も見当たらない暴力が支配する場所であった。広大なキャンプの中ではマカバを見失ってしまう。上空からの情報支援を受けてマカバ確保に全力を注ぐことになる。
光学迷彩によって敵に発見される可能性が低くなるので、うまく敵の近くまで忍び寄ることができれば、ナイフによる近接戦闘で音も無く敵を葬り去ろう。これが鮮やかに決まれば、1回の近接戦闘で複数の敵を一度に排除することも可能だ。

そして複数の敵がたむろするシーンでは、仲間との連携による「シンクショット攻撃」が有効だ。タイミングを合わせて一斉に射撃することで、一瞬にして敵脅威を排除することができる。
GRFS では立体的に数多くのオブジェクトを配置し、戦場の奥行きを持たせている為、敵地へ侵入する際に敵がどのような配置で監視体制を敷いているか把握できない場合は、意外なところからこちらを発見されてしまう。どのような場所に敵が潜んでいるのか、事前に把握するためにも「センサー」の活用が不可欠となる。
GRFSでプレイヤーは様々なハイテク装備が支給されるが、ゲームは終始、数の上で圧倒的に劣勢な状況に立たされる。その中で、如何にして戦局を優位に展開させるかがカギを握る。まさに「特殊部隊」という限られた一握りのエリート兵士を題材としたゲームならではの醍醐味と言えよう。従って、時にはレティクル越しに捕捉している状況下で「敵の頭をヘッドショットしたい!!」と、逸る気持ちを抑えてやり過ごす勇気が、ミッション成功の際に必要となってくる。

ザンビアの難民キャンプを抜けると、離陸を待つ輸送機の存在をキャッチするゴースト。ミッションでは輸送機の離陸を阻止することを伝えられる。既に離陸準備が整った輸送機はエンジンが始動しており、一刻の猶予もならない。多勢に無勢で囲まれる最悪の環境下でミッションクリアーを図るカギはチームでの連携と、ポイントを抑えた攻撃。
GRFSでは敵を殺害後、「死体」が敵に見付かることでゴーストの身に危険が及ぶ。監視小屋に点在する敵を暗黙の内に排除することがミッション成功のカギを握る。その為、敵の配置状況を素早く見抜き、「優先度」を付けて殺害することが重要となる。

輸送機の離陸を阻止したゴーストを砂嵐が襲う。視界が殆ど利かない状況下では、共に行動する仲間からのハンドサインも活用しよう。砂嵐の中では、想像以上に敵との距離が接近している場合もあり得る。時折来るパトロール車輛の巡回にも要注意だ。ここで登場するのは、紛争地のパトロール車輛に相応しい「テクニカル」と呼ばれる、ピックアップタイプの車輛が多く、その殆どが車両後部を重機関銃で武装している。重機関銃で狙われれば、如何に逞しい特殊部隊ゴーストと言えども、ひとたまりもない。視界の悪い状況を逆に利用し、正面から銃器での交戦を避けてステルス性の高い攻撃を加えることで攻略を図る必要がある。

ブラックボックスを無事回収したゴースト。
飛行データの解析の結果、次なる捜索はナイジェリアに行き着くことになる。不安定なこの地で活発化する民間軍事企業の監視を目的に、CIAがエージェントを派遣していたが、突如その消息が絶たれたとの一報が入る。
アメリカ政府は特殊部隊「ゴースト」に派遣を要請、消息を絶ったCIAエージェントを見つけ出し、身柄の確保に乗り出す。

この面では新たな装備としてUAV (Unmanned Aerial Vehicle : 無人航空機) が支給される。UAV は要するにラジコン飛行機なわけだが、現在の世界の軍事情勢においても、活躍のシーンが広がっている。どこに、どんな武装をした敵が潜んでいるのか、ゴーストは UAV から送られる情報を基に、効果的な戦術プランの組み立てをおこなうことができる。
GRFS で登場する小型の偵察機 UAV は、高性能のセンサーとカメラを搭載した4枚羽のクァッドローター式のもの。安定した飛行を可能とし敵脅威の潜む位置を正確に把握することができる。

CIAエージェント サイクスが囚われていると思われる施設を突き止めたゴースト。しかし施設周辺には軍事会社のコントラクターが警備を請け負っており、一筋縄ではいかない雰囲気だ。しかも厄介なことに、この施設付近の上空には敵の 2機の 武装ヘリコプター Hind Mi-24 が警戒に当たっている。ニジェール湾で展開中の友軍の ワスプ級強襲揚陸艦 から戦闘機 2機 が空爆支援で駆け付けるまでの間、サイクスを確保し、乗り切らねばならない。

ここでは、途中に通過する集落では多数の敵勢力が展開しているため、仲間との協力は不可欠となる。GRFS では、先ほどのハンドサイン以外にも戦闘中に多くの情報が仲間から発せられるので、有効に利用しておきたいところ。
その 1つ に挙げられるのが、敵の存在する位置を教えてくれるというもの。仲間からは、敵の位置を時計に見立てた方角で注意を呼び掛けてくる。「9時の方向にアサルトライフルを持った敵が近付いている」といった具合だ。瞬時に自分の見ている方角を 12時 に見立てて、どの向きに敵が居るかを頭の中で置き換える必要がある。サバイバルゲームや自衛隊 (軍) 経験者ならいざ知らず、これにはちょっと慣れが必要かもしれないが、GPS によるグリッド表示がなされているわけでもないマップ上で、これほど的確に位置関係を伝達する手段は他にないので、是非その特性をマスターしておきたいところ。

さて、上空を遊弋 (ゆうよく) する敵攻撃ヘリ「ハインド」の動きに警戒しながら敵拠点へ侵入したゴーストは、光学迷彩、センサーグレネードを駆使し、敵に気付かれないようアプローチする。複数の敵が地上を遊弋しているので 1人 ずつ排除ても直ぐに周りにいる他の敵が、こちらの存在を察知して大騒ぎになってしまう。こうした状況を難なく乗り切るには、仲間との呼吸を合わせた連係プレーが不可欠だ。ここでもシンクショット攻撃で難なく乗り切っておきたいところ。
CIAエージェントの救出とデータの回収に成功したゴーストは、米海軍のブラックホークに合流。CIAエージェントから武器密輸の供給ルートに関する情報を入手したところ、東南アジア、中東、アフリカをつなぐ貿易の中心地が次の舞台となる。武器の売人を特定し、拘束することが次なるミッションだ。

この面では MOD (Multi Operational Dron) と呼ばれる近接戦闘時の偵察任務に使用される無人機が支給される。クローラーモードで近付き、音響パルスを発射することができる。
市街地にある建物の上に侵入したゴースト。建物の屋上には周辺を警戒中の敵勢力が至る所に確認できる。決して見付からぬよう光学迷彩と、狙撃銃を使って敵を排除しなければならない。ここの攻略にも、シンクショット攻撃による仲間との呼吸を合わせた攻撃が不可欠となる。
シンクショット攻撃では最大で同時に 4人 の敵を攻撃することが可能だが、見張りの敵が 4人以上 存在する場合は、死体が見付からぬように最初の攻撃で排除する敵と、2回目 での攻撃で排除する敵とを明確に見極めてからマーキングする必要がある。この時の優先順位の付け方は、ズバリ「それぞれの敵が配置している状況」にある。上下の位置関係の場合、基本的には上から順番に排除すれば死体が見付かることは無い。

武器の売人を拘束し、押収した通信機からパキスタン郊外の都市部でおこなわれる武器密売の存在を知ったゴースト。民間人を戦闘の巻き添えにしないよう、そしてパキスタン軍との交戦という最悪の事態にならないよう配慮しながら市街地での激しい戦闘を繰り広げる。
兵力差では圧倒的に不利な戦いを強いられる状況の中で味方が次々と被弾。味方の救護をしながらも戦闘ラインの引き上げをおこなわなければならない。人混みが激しく、また車などの障害物が多いエリアでの戦闘では、敵の配置を見極めるのが難しい。その為、ここではドローンやセンサーグレネードの活用が大きな威力を発揮する。また次から次へと波状攻撃してくる敵を相手にすると、ついつい起こりがちなのが弾薬不足。GRFS では倒した敵から武器を拾って使うことができるので、活用しない手はない。ただし、多くの場合がAK系統の軽火器となっているため、基本的にアイアンサイト。その為、米軍仕様のオプティクス搭載タイプと比べると、エイミングした際の見易さがぐんと変わってくるので注意が必要だ。
激しい銃撃戦の末、間一髪のところで任務を成功裏に収めたゴースト。隊員らの活躍により売人の身元が割れた。ロシア人の女、カーチャ・プルゴバ。ここでは、ターゲットがパキスタンから国境を越えてアフガニスタンへ逃れるのを阻止しなければならない。
この面もストーリーモードならではの設定で、プレイヤーはブラックホークに搭載するマシンガンを使って上空から国境へ向けて逃げるターゲットを追うことになる。一般人はもちろん、ターゲットを殺さず追跡を阻止しようとする敵勢力のみを排除しなければならない。上空からも敵の攻撃ヘリが迫ってくるので、十分に注意しながらターゲットへと迫らねばならない。

- ジャンル:アクションシューター
- ハード:PlayStation®3 (PlayStation®Move対応) / Xbox360® (Kinect™対応)
- プレイ人数:オフライン 1人 / オンライン 最大16人
- 価格:7,770円(税込)
- 発売日:2012年7月5日発売予定