「SVGMAP」開発・タグベース社開発インタビュー
過去記事:サバゲー IT 時代到来!サバゲーマップアプリ「SVGMAP」5 月中旬β版リリース
ミリブロ:
本日はお忙しいところお時間を頂き、ありがとうございます。先日の公開以来、サバイバルゲーマーを中心に多くの反響が寄せられています。本日は前回ご紹介を頂いた時からの進捗や、開発の秘話的なもの、そして開発を手掛けられたスタッフの皆さんの素顔に迫るような内容をお届けできればと考えています。よろしくお願いします!

こちらこそ先日はご紹介いただき有難うございます。各方面から大きな反響を頂いており、今後の開発にも弾みをつけていきたいと考えています。まずは今回の「SVGMAP」の開発に携わっているスタッフをご紹介しようと思います。
岡本はサーバーサイド開発のプロフェッショナルで、主に iOS ネイティブやバックエンドな部分の全般を統括しています。また、山口はアプリのフロントエンドなる部分の開発や、今回はデザインまで幅広く担当しています。そして私、菅野はアプリ全般のディレクションと進行管理、プロモーションを担当しています。それぞれの専門分野での能力を活かして 1 つのプロジェクトを進めています。元々弊社は企業からの開発受託案件を手掛けておりました。しかし今回のような自社での開発案件は初めてのケースです。各自が楽しみながらやっていこうと思っています。
ミリブロ:
サバイバルゲーム業界自体は全くの初参入ということですが、何がきっかけで「SVGMAP」アプリの開発を思い付いたのでしょうか?
タグベース社 岡本氏:
元々は私と山口との間で進めようと密かに企んでいました(笑)。たまたま何かの話題から代表の聞き及ぶところとなり、現在に至っています。確か・・・昨年の4月頃だったかな?本当に久しぶりにサバイバルゲームをやる機会に恵まれ、そこからドップリとハマっています。子供の時にもエアガンに触れ、サバイバルゲームで遊んだこともあるので、大人になってからもすんなりと入ることができました。根っからのメカ好きということもあって、買ってきたエアガンはついつい分解してしまいます・・・。
タグベース社代表 菅野氏:
そうそう、私もついついエアガンを分解してしまい、当初こそは詳しそうな人がいればカスタムのコツみたいなものを教えてもらっていました。そうこうしている内に、下手の横好きですが、気が付けば自分でも一通りのことができる状態になっちゃいました。サバイバルゲームって人それぞれで色々な楽しみ方があるんだと思いますが、私は自分でカスタムしたエアガンの効果を体感しながらゲーム展開の優位性を追求するようなことが一番の楽しみだったりします。本業の開発案件が溜まってくるとサバイバルゲームに中々出掛けることができませんが、週末は出来る限りたくさんのゲームに参加したいと思っています。

左:岡本氏、右:山口氏
サバイバルゲーム愛好家の視点から今回のアプリの発想に行き着いたということですね。
タグベース社代表 菅野氏:
サバイバルゲームは大好きです(笑) マップアプリをうまく使うことで、サバイバルゲームの展開は大きく変わると思います。実際の軍隊でも部隊運用の際における情報戦として活用していることもありますし、FPS ゲームなんかでもこの手のマップ情報はもはやマストアイテムとなっています。そうした流れから、サバイバルゲームのシーンでも導入が進めばきっと面白いことになるだろうと思ったのです。
ミリブロ:
開発を進めて行った中で苦労した箇所などはありますか?
タグベース社代表 菅野氏:
そうですね、一言で言えばこのアプリは「マップアプリ」となり、単なる位置情報の提供だけのようにも見えますが、アプリでカバーする範囲は意外と多岐に渡っています。例えば、小隊編成機能では、チームリーダーを上位権者に据えて、味方チームの編成をおこなうことができます。相手方に位置情報を垂れ流すわけにもいかないので、その辺りの気遣いもしなければなりませんので、パスワードでのロックもおこなっています。
また、ゲームの展開は常に動き続けているので、アプリ側では位置情報を、数秒の誤差はありますがリアルタイムで共有をおこなっています。そしてサバイバルゲームを終えた後にも位置情報が表示されないような配慮も必要です。帰宅の途に就く人々の位置情報をずっと監視できてしまってはマズイですから・・・。そういった位置情報を取り扱うアプリ故の周辺開発が一番腐心した点になります。
あと、フィールド内のレイアウトについても変更があった際に反映することが難しいので、編集権限が付与された「エディター機能」をフィールド運営者さん、またはユーザーさんに提供するような構想もあります。実は SVGMAP は、当初岡本らの間ではオープンソース化して提供するような考えがあったこともあり、エディター機能の公開により、ユーザ間でマップデータの共有ができるような文化が形成できれば面白いと考えています。
また、エディター機能を使わないまでも、簡易で即席に使って頂くため、Google Map のデータを活用する方法もご用意させて頂いております。こちらは Google Map で提供されている航空写真をベースに、SVGMAP アプリを使っている人同士の位置関係を把握することで、バリケードなどの情報は航空写真の精度に頼るものの、森林フィールド以外では意外とそのまま使えるケースも多いです。もちろん専用にデータ化したフィールド内で使う時と同じく、索敵機能などのSVGMAP アプリ標準装備の機能は全て同様に使用できます。

なるほど、単に「マップアプリ」と言っても、サバイバルゲーム用途を想定した場合に、守備範囲はかなり広いですね。その辺りは、開発に携わっていらっしゃる皆さんが日頃サバイバルゲームの定例会に参加する中で培ったノウハウが活かされているということですね。
タグベース社代表 菅野氏:
はい。私たちが実際にゲームフィールドで体験し、体感したことだけでなく、Twitterなどからも「あーした方がいい」「こうしてみるともっと面白くなるかも?」といった様々なご意見を頂くことがあり、開発に当たって参考にしています。今回新たに搭載した索敵機能なんかも、自分たちが日ごろサバイバルゲームを通じて「こんなのあれば楽しそうだな~」と思っていたことを具現化しています。
ミリブロ:
確かにこれは聞けば聞くほど「面白そうなアプリだな~」と思えます。日本のサバイバルゲーム市場は、ここ数年のブームに乗じて急拡大していると報じられることが多くなりましたが、今後の展開において欧米を中心とした海外市場へ拡大という考えはありますか?
タグベース社代表 菅野氏:
まずは日本でサバイバルゲームを楽しんでいるユーザーの皆さんへのご提供を最優先した後に考えたいと思います。サバイバルゲームにおける欧米市場は、日本の市場よりも大きいと聞きますし、実際にこの種のアプリとして大きく成功を収めているものは実在していないと聞いています。資金調達を主とした所謂「クラウドファンディングサービス」を通じて構想したアプリこそありましたが、目標金額に達しておらず断念せざるを得ない結果となっていました。弊社では自社開発の強味を活かして、柔軟に対応をおこなっていきたいと考えています。そして、何よりも「サバイバルゲームが好きだ」という気持ちを忘れない、ユーザーさんと同じ目線で「楽しみながら」開発を進めて行きたいと思っています。
関東、最もサバイバルゲームフィールドが集中している「サバゲー銀座」の千葉県を中心に専用マップのデータ化を拡大させて、新規フィールドの立ち上げラッシュが続いている関西への進出の足掛かりとしたいと思います。
本稿をご覧になったサバイバルゲームフィールドのオーナー様、運営者様は是非ご一報ください。
ミリブロ:
リリース時期や金額の設定など、具体的な情報がありましたら教えてください。
タグベース社代表 菅野氏:
当初「ニコニコ超会議 3」で発表した際には「5月中旬」に無料版のリリースを予定していましたが、幾つかの問題や改善点が広範囲に広がったことからスケジュールが後ろ倒しとなりました。楽しみにお待ち頂いていた多くの方々には大変申し訳なく感じております。その代りに改善点として前述にありました「索敵機能」が実装されます。フィールド上で敵を見つけた際、その大よその位置をマップ上で他のメンバーと共有する機能となります。この機能より、当初計画のマップアプリ以上により実戦的で実用的になるものと考えています。
現在はiPhone版のみリリースとなっており、Android版については後発でのリリースとなりますことを、何卒ご了承くださいませ。
ブログでも最新情報を公開していきたいと思っておりますので、是非ご覧になってみてください。よろしくお願い致します。
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