近未来のリアルな戦場、ゴーストリコン フューチャーソルジャー
ユービーアイソフトの人気シリーズにして看板タイトルの 1つ、「Tom Clancy’s Ghost Recon」に、前作「ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2」以来 実に 5年 ぶりの新作となる「ゴーストリコン フューチャーソルジャー (以下、”GRFS” と記載)」(PlayStation3/Xbox360、価格 税込 7,770円) が、いよいよ 2012年7月5日 に日本上陸となる。
発売時期が繰り返し延期されてきた本作だけに、このリリースを待っていた方も多いはず。ミリタリーブログでは、GRFS の描くその世界観や、プレイの楽しさなど、その魅力を余すことなく 全3回 に渡って特集する。
中南米・ボリビアの山岳地帯で、アメリカ向けに武器密輸をおこなう組織を襲撃した米国特殊部隊 ゴースト。敵勢力を一掃したゴーストだったが、作戦中に確保したトラックにあった爆弾の爆発により、ゴーストは全滅してしまう。
その後、新たに結成されたゴーストチームが、ボリビアの一件で活動していた組織がロシアの「レイブンズロック」であることを突き止める。レイブンズブロックは、世界の武器密輸市場で暗躍する巨大組織へと成長し、核弾頭ミサイルでロンドンを攻撃するまでに勢力を拡大。ロシア大統領を監禁しロシアの乗っ取りを企て、世界的な脅威となっていく。
ゴーストたちはロシア大統領を救い、レイブンズロックの壊滅を目指すことになる。
GRFSではボリビア、ザンビア、ナイジェリア等のアフリカからロシアやノルウェー海沖、そして北極圏など多岐にわたるエリアでの戦闘が繰り広げられる。その地域によって装備や支援ツール、作戦も変化していく。だが、変わらないのは 4人ひと組のゴーストチームとして、人知れず任務を遂行することである。
世界中に「戦争」という名の暗い影が広がりつつある中、紛争の広がりを阻止するため、アメリカが派遣を決めたのが米陸軍・特殊部隊の「ゴースト」。強靭な肉体と、隊員個々が持つその特殊能力はもちろん、ハイテク装備による武装に特色を持つ。その戦力は「一国の軍隊と渡り合えるほどの力を持つ」とも評される。
現実世界の軍事産業を例にすると、米陸軍 NSRDEC (Natick Soldier Research, Development and Engineering Center) では、様々なハイテク装備の開発を発表しており、それらにインスパイアされた 本作 GRFS でも NATICK の「フューチャーソルジャー 2030 プログラム(the Future Soldier 2030 initiative)」に基づき、武器や兵器の表現をおこなっている。
今現在 そして 近未来の戦場で、現実的に研究・開発中または使用される予定の装備品の数々が登場するとあって、ミリブロ読者にいおては、きっと 期待せずにはいられないはずだ。
すべてのゴーストにとって、最も基本的な装備の 1つ で運動能力と持久力をアップさせることができる。100キロ を超える重さも 20キロ 足らずの重さにしか感じなくなり、これによって救急キットや弾薬、グレネードや最新鋭の携帯型追撃砲をすべて持ち運べるようになっている。
実際問題として、こうしたパワードスーツは米陸軍の主導で開発が進められており、2012年 の秋頃を目処にアフガニスタンでのフィールド試験が予定されている。特殊部隊の着用によって、GRFS の描く世界観と同じく、「リアルサイボーグ」がもう間も無く実戦配備といったところか。
さまざまな改造を施された赤外線誘導式ロケットランチャーの一種。大きな火力となり、一瞬にして目標を木っ端微塵に吹き飛ばすことができる。他の隊員とリンクアップすることにより、同時に 4発 の誘導ロケットを発射することができ、敵に壊滅的な打撃を与えることができる。
カメラで撮影した周囲の映像を兵士自身に投影することによって、兵士の姿を背景に溶けこませる特殊な装備。待ち伏せによる攻撃や、接敵して音も無く敵脅威の排除をする際に役立て、敵陣への潜入作戦の際に絶大な効果を発揮する。
コマンド用インターフェイスで、戦況の確認やチームメンバーとの交信が可能。クロスコムを使うことでメンバーや戦車、無人偵察機、ヘリ等の戦闘車両の視点に切り替え、多角的に戦況に確認し指示を出すことができる。前作で既出の クロスコム2.0 よりさらに進化し、より正確に状況を認識することができるようになっている。
兵力、火力の面で不利な状況で戦いを挑む際に頼もしい存在となるのが「ドローン」。援護してくれる。兵士の身の安全を確保できる遠隔の地で操作し、敵の潜む危険な場所を偵察。高性能カメラが捉えた映像による情報を得ることで兵士は効果的な戦術プランを練ることができる。
GRFSで最も注目すべき点の 1つ に CQC (Close Quarter Combat) とステルス・キルがある。ゴーストチームは時に、大規模な戦闘を回避するため隠密行動をとる必要がある。
あらゆる情報を駆使し、敵の背後に回り、ステルス・キルを行っていき、人知れずターゲットに近づいていく必要がある。UAV (Unmanned Aerial Vehicle : 無人航空機) や仲間とのリンクアップ、クロスカムに送られてくる情報を使って素早くミッションをこなしていこう。
GRFS は分隊単位でプレイする戦術を駆使してプレイするゲームだったが、今作ではその分隊プレイからリンクアップシステムに進化している。分隊に合流すると、その分隊のメンバーが所持している光学迷彩や特殊能力、その他アイテムの恩恵を受けることができる。
また、分隊にはコマンドー、偵察兵など 様々なクラスのメンバーが存在し、その各クラスには、例えばコマンドーであれば迫撃砲で誘導ロケットを発射でき、偵察兵であれば光学迷彩のネットを使って完全に姿を消すことができるなど、それぞれの特色が生かされた特殊能力をもっている。プレイヤーはリンクアップしている間、自分以外のクラスの特殊能力を発動させる事が出来るのだ。
ゴーストチームは秘密裏にミッションをこなしていく必要がある。
GRFS では敵にタグを付けて指示をすると、敵をひそかに一掃することができる。死体をほかの敵に見られたりチームの姿が視認されると銃撃戦が始まり、ミッション遂行ができなくなったりするので、センサーグレネードや ARドローン を駆使し、周りの状況を把握する必要がある。
シングル、Co-op、対戦モードでは連続的なランキングシステムが導入され、プレイヤーのゴーストやクランに対して様々な報酬が用意される。またプレイヤーが獲得するアイテムや特典、武器、武器の付属品はその後のプレイに影響を与える。
マルチプレイヤーモードではリンクアップシステムに組み込まれる自然発生的な連携の恩恵を受けることができる。チームを編成すると、仲間と一体になった移動や攻撃を行えるのだ。
つまりチームメートの高度な能力を利用できるようになり、それを組み合わせることによって、より正確に戦況を把握できる。その結果、より強大な武力が使えるようになり、防御が強化されることによって、戦場では何よりも重要な主導権を維持できる。
前述のストーリーモードをフレンドと一緒にプレイすることもできる。最大で4人まで参加可能で、基本内容に変化はない。
迫りくるゲリラたち(敵CPU)から、最大全 50ウェーブ 間、フレンドと協力して陣地を防衛し続けるモード。ターンが進む度に敵の数は増え、攻撃は激しくなる。オフラインでは 2人 でプレイ可能だ。
マルチプレイヤーモード (最大12人) でプレイ可能。モードは 4種類 用意される。
GRFS では、多数の武器が用意されているだけでなく、それら1つ1つにおいて細部に渡って様々なカスタマイズを施すことができる。カスタマイズを可能とするパーツのバリエーションはバレルやストック、リコイルから迷彩模様、ネジやバネといった実に多岐に渡り、実質 約2千万 通りのカスタマイズが可能。ユーザー個々のオリジナル銃を創り出すことができる。
最新鋭の兵器や装備が持つ、その多機能さと、機能美に裏打ちされたスタイリッシュなデザインは、新しいものが好きな人でなくとも興味を引かれるもの。また、ここ最近のミリタリー系 FPS / TPS におけるトレンドは、リアルさの追及であったり、最新装備であったりする傾向が強いが、今回ユービーアイソフトから発売される GRFS ではまさにその両方をカバーしたタイトルとなる。
ゲームに登場する武器や兵器は全て実際に使われているもの またはこれから実戦で投入される予定のものをベースに構築されており、俄然気分が盛り上がる。そしてこうしたバックボーンだけでなく、ヴィジュアル面でも相当な強化が図られており、さながら戦場にいるような体験をすることができる。
加えて今回の GRFS では、シリーズ初となる PlayStation® Move対応 / Xbox360® Kinect™ 対応のタイトルとなり、ジェスチャーによる操作は今までに無い新感覚。体を動かすことでプレイヤーのキャラクターを操作したり、武器のカスタマイズをおこなったりすることができる。こうした操作感覚を「マッスルメモリー」させて、キミも世界最高峰の特殊部隊「ゴースト」の一員になろう!!