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【ピースコンバットフェス】銃器インストラクター Chris Costa 氏来日記念インタビュー ①

クリス・コスタ氏インタビュー
【ピースコンバットフェス】銃器インストラクター Chris Costa 氏来日記念インタビュー ①
アメリカの有名銃器・戦術スクールであるマグプル・ダイナミクス社からリリースされた教習DVD「The Art of The Tactical Carbine」の大ヒットにより、一躍業界の「スター」となった元チーフインストラクターのクリス・コスタ (Chris Costa) 氏。現在は自身のトレーニングスクール「Costa Ludus」を立ち上げ指導に励む一方、様々なメーカーと商品開発/タイアップを行っている。先日はPEACE COMBAT主催のサバイバルゲームイベント「Costa in Japan」にATTS USA LLCのジミー・ヘンディリクス氏と来日し、日本のエアソフト文化に驚くとともに、アメリカの銃文化を日本のファンに見せてくれた。今記事ではそんな精力的に活躍する彼らに色々な質問をぶつけてみた。
Special Thanks: PEACE COMBAT

MilitaryBlog:
日本の第一印象はどうですか。来る前の予想と何か違いはありましたか
【ピースコンバットフェス】銃器インストラクター Chris Costa 氏来日記念インタビュー ①

クリス・コスタ:
当初考えていたものとはまったく違うコミュニティが広がっていた。昨日のパーティに来ていた人たちを見て、ジミーと私は互いに「これはライフスタイルと呼べるものだ。アメリカ人の取り組み方とはまったく違う」と思った。サバイバルゲームは週末に開催されるが、エアソフトのコミュニティの人たちにとっては単なる「週末の楽しみ」じゃない。

たいていの人はただゲームをするだけなんだよ。でも日本のプレーヤーはそれだけじゃ終わらない。これは「生き方」と言っていいと思う。本当に驚きだった。予想よりも巨大なものだったんだ。もっとリアルで、生活に密着したものだった。
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ジミー・ヘンディリクス:
ライフスタイルというのは、技術上達のために平日に練習して、時間とかプライベートを犠牲にしたりするみたいに、生活の一部になっているという意味でね。。

クリス・コスタ:
僕らが実銃でやるみたいなことをエアソフトガンでやっている。アメリカのエアソフト界隈ではそんな人は見たことがない。僕らが実銃を扱うのと同じぐらい本当に真剣で真面目だ。
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MilitaryBlog:
日本ではブームが3~4年くらい続いていてエアソフトガンコミュニティは今も成長しています。しかし例えば撃ち方を教えてくれるインストラクターとか、そうした存在は不足しています。

そこでまず今日は「クリス・コスタはどうインストラクターになったのか」を聞きたいです。どう技術を磨き、生徒を教えられるようになったがひとつ。もう一つはご自身、あるいはCosta Ludus、コミュニティの将来についてです。

クリス・コスタ:
僕自身、沿岸警備隊時代に多くのスクールに行って銃の撃ち方を習ったことがある。そして多くを学んだ。軍の違う部門や警察でも訓練に受け入れてくれるから、そういう所にも行った。

それから沿岸警備隊では他国軍と共に訓練し、作戦する方法を考えるのが僕の仕事だった。訓練した人と、そのうち一緒に戦うことになるということを実感すると訓練についてよりシビアに考えるようになるんだ。

例えば今、民間人を訓練するとする。彼とまた会えるかどうかは分からないし、一緒に戦うこともないだろうけれど、もちろんベストを尽くす。

でも訓練生とやがて危険な場所に一緒に行くことになると分かってしまうと、教える内容もやりかたもシビアになる。僕もその人とリスクを背負うことになるんだからね。僕が十分に仕事をしなければ、その人を傷つけ、そして僕自身も傷つけることになるんだ。それから訓練についてまったく違う考えを持つようになった。

MilitaryBlog:
外国の部隊との訓練を調整するのが、教師としてのキャリアの始まりということですね。

そうだね。他者を教えることで、他者から学び、自分も多様性をもつことになる。他の部隊と訓練し、作戦を行うことで良くも悪くも影響を受け変わっていく。他の部隊と出会い、そして2週間後に作戦が始まるというのは本当に危険なことだ。最もよい変化を与えたい。

MilitaryBlog:
よい訓練を与えるには、その部隊をよく知っていなければいけませんよね?
【ピースコンバットフェス】銃器インストラクター Chris Costa 氏来日記念インタビュー ①

クリス・コスタ:
まずインストラクターとして優秀であることは重要だと思う。

軍を離れた後気づいたのは、軍は手続きだらけだったということだった。物事にはやり方があって、その通りにやらなければいけない。軍を出ると、その制約を実感した。

例えば1992年、17歳の時、沿岸警備隊に入隊してショットガンの撃ち方を習った。2010年、射撃場で沿岸警備隊員が当時とまったく同じ方法でショットガンを撃っているのを見た。僕の父も元沿岸警備隊員だが、おそらく同じ撃ち方だったのは間違いない。単に有利だから、悪い環境やストレス下で有効だからからといって新しい、使える射撃姿勢やテクニックを導入することはできなかったんだ。

時にはある問題を修正しようと思ったら、その問題を外から見なければならない。内側からは手が出せないものだ。「制度からくる遅滞」というやつだね。行き止まりがある。だから全く同じことをずっと続けることになる。

誰かがやっていたから自分もその通りにやる。そういうもんだと思っているから理由もない。「なぜそうするのか?」といっても「そういうもんだからね」という感じだ。軍では命令に従うものだから。

でも自分は「教え方」をよく研究するようになった。外に出れば大きく成長があるんだ。

MilitaryBlog:
「教え方」を学んだのも沿岸警備隊でしょうか

軍は確かに僕を教師にする手伝いをしてくれた。しかしある時点ではそこから出て自分を成長させなければならない。軍では最低限のことだけをこなして過ごすこともできる。そこを超えるという経験をしなければいけないと思う。

僕にとって一番の心配は、生徒が間違えて覚えてしまい、殺されてしまうことだ。僕らの仕事は命のやりとりだ。君や家族やチームメイトのね。もし僕ら教師が間違えば、誰かが傷つく。生徒の命に対して責任があるんだ。

聞き手: dna_chaka

パート2へ続きます。
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