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世界最小の航空母艦、タイ王国海軍の空母「チャクリ・ナルエベト」

艦艇紹介
タイ王国。人口6,718万人の東南アジアの立憲君主制国家である。
観光産業が盛んで、特別市であるパッタヤー(パタヤビーチ)は高級リゾート地として海外からの観光客が数多く訪れる。

このパッタヤーからスクムウィット通りを南下し、突き当たった先に港がある。観光ガイドには載らない静かな港だ。周辺に軍事施設が立ち並ぶ軍港である。ここに、タイ王国海軍唯一の空母「チャクリ・ナルエベト」が停泊している。

"HTMS Chakri Naruebet, CVH- 911"「チャクリ・ナルエベト」
タイ海軍が保有する唯一の空母であり、世界最小の空母でもある。艦名は現タイ王室名のチャクリー王朝に由来する。この艦を得たことで、タイは東南アジアで唯一、小型空母を保有する国となった。

スペインのバサン造船所で建造されたスペイン海軍空母の縮小改良型である。公式艦種は「外洋哨戒ヘリコプター母艦」であり、救難活動やEEZ内の監視任務を主としている為、航空兵力の拠点としての任務を基本的には想定していない。

艦首部に傾斜角12度のスキージャンプ甲板を装備。艦載機はスペインから購入した中古のAV-8Sマタドール6機及びS-70B-7ヘリコプター6機。AV-8Sマタドールは、ホーカー・シドレー・ハリアーのスペイン海軍仕様だ。ホーカー・シドレー社内の名称はハリアーMk.55。11機が生産された。しかし運用予算の不足により、6機全てが保管状態にある。

建造から就役まではこぎつけたものの、不況により同軍は慢性的な予算不足にある。そのため装備は就航以来不十分なままという。AV-8S不在ゆえのヘリ空母となっているが、撮影時はヘリの姿も無かった。

艦は非常に静かで兵士や技術者の姿も殆ど見かけない。しかし清掃は行き届き、美しく保たれていた。

20mm単装機銃。2基設置。この他、12.7mm単装機銃を2基備える。

機銃以外の兵装としては、SADRAL6連装ミサイル発射機を3基搭載。

爆発物を海中に遺棄する際、使用するダストシュート。

予算と人員の不足から、現在はほとんど機能していないという「チャクリ・ナルエベト」。
しかし、災害発生時にはその本来の性能を発揮する。2004年のスマトラ沖地震では、被災地の救援活動を行った。サムイ島に救援に向かった際は、島民と観光客を救出し本土まで輸送するという活躍を見せた
という。

HTMS Chakri Naruebet, CVH- 911「チャクリ・ナルエベト」
進水1996年1月20日
艦種航空母艦(軽空母)
排水量 基準:10,000トン、満載:11,486トン
全長182.65 m
全幅30.50 m
MTU 16V1163 83TBディーゼルエンジン (5,600 bhp) 2基
LM2500 ガスタービンエンジン (22,125 shp)2基
速力27knot(最大)12knot(燃費航行時)
乗員個艦要員: 士官62名 下士官兵393名 航空要員: 146名 陸戦部隊: 675名

Text by Acorn


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