メタルギア生誕25周年記念パーティーレポート

「ステルスゲーム」の始祖として数々の金字塔を打ち立ててきた「メタルギア」シリーズ。KONAMI は 2012年8月30日に東京・六本木で「メタルギア」のシリーズ生誕 25周年 を記念した "METAL GEAR 25th ANNIVERSARY PARTY" を開催した。会場では世紀の大ヒットシリーズ「メタルギア」の生い立ちから25年の歴史を振り返る一方で、これからの新たな、そして更なる飛躍を誓ったチャレンジについて、幾つかの重大な発表があったのでご紹介していこう。
テレビゲームが一般に浸透し始めた当時、多くのゲームは反射神経を競う「トイ」として存在していた。その状況下で時を同じくして 1987年 に産声を上げた「メタルギア」は、「冷戦」という世界のビッグウェーブにスポットを当て、当初から壮大なスケールのストーリーが織り込まれた圧倒的な世界観を持つ異色のタイトルとして注目を集めた。「トイ」としてのゲームは、「メタルギア」の登場により、ストーリー性を持った世界観の中で、ゲームならではの独創性の下、多くのユーザーが楽しめ、共感することができる「エンターテイメント」へと底上げされた。左:株式会社 コナミデジタルエンタテインメント 代表取締役社長 田中富美明 氏
右:株式会社 コナミデジタルエンタテインメント 執行役員 エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント 小島プロダクション 監督 小島秀夫 氏
かつて世界の頂点を極め、金色の輝きをみせたオリンピックの「体操ニッポン」。技術・表現力で世界を圧倒し、表彰台の一番高いところに輝く日の丸の姿は、その後久しく見ることが無い、空しい時間が過ぎた。この様子と似た状況にあるのが日本のゲーム業界。「栄光と挫折」、かつて世界の最先端を行く日本のゲーム業界であったが、この数年は海外製のタイトルに押され、世界市場で辛酸を嘗めさせられた状況が続いている。イベントのナビゲーターを務めた俳優の別所哲也さん。
先月におこなわれたロンドン五輪では、前回の北京五輪と続いて、日本の「お家芸」とも言われた体操競技の復活を印象付ける好成績を収めることができた。まさに日本ゲーム業界も、この復活に倣って再び世界の一番高い頂への挑戦を仕掛けていかねばならない。日本ゲーム業界の世界に対する復権の策は?の問いかけに対してこの日、小島プロダクションはイベントを通じて今後の取り組みを発表したのであった。
小島秀夫監督 (左) と並んで記念撮影に応じる
映画プロデューサー Chairman & CEO of Arad Productions, Inc. Avi Arad (アヴィ・アラッド) 氏 (右)


アヴィ・アラッド 氏:
「スパイダーマン」シリーズや「X-MEN」シリーズ、「アイアンマン」など数々の大ヒット映画を手掛けてきた人物。映画スタジオ「マーベル・スタジオ」の創設者で、コミック作品などのエンタテイメント分野の実写映画化に多くの実績を持っている。新しい「メタルギア」の魅力が楽しめる作品になることが期待される。
「ようやくか~」というのがこの一報を聞いた時に多くの方が抱いた率直な感想だろう。さて、気になる映画化に関する詳細はというと「製作はコロンビア・ピクチャーズが、配給は米ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントがおこなう」とのことだ。
圧倒的な臨場感で、「メタルギア」がソーシャルコンテンツとなり「GREE」に登場!!
2012年秋から冬にサービス開始予定。
小島秀夫監督 (左) と握手する グリー株式会社 代表取締役社長 田中良和 氏 (右)


映画化の発表に続き「メタルギア ソリッド ソーシャル・オプス」について、グリーとの共同制作を発表した。小島監督 自ら「半歩進んだソーシャルサービス」と表現するこのソーシャルコンテンツについては、世界戦略も視野に入れた展開を明らかにしている。
「メタルギア ソリッド ソーシャル・オプス」では家庭用ゲーム機さながらの滑らかで美麗な3Dポリゴン映像で「メタルギア」ならではの世界観の中で様々なミッションに挑む。そして「メタルギア」シリーズの歴代キャラが登場!「いつでも・どこでも多くの人と繋がる」、ソーシャルコンテンツの持つ特性との融合で、立体的なビジネス戦略の構築を図る。サービス開始については「2012年秋から冬を予定」とのこと。

続いて「メタルギア」シリーズ最新作「メタルギア ライジング リベンジェンス」 (以下「MGR」) について発表がおこなわれた。
MGR は 2008年 に発売された「メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」 (以下「MGS4」) から 4年後 の世界を舞台に、MGS4 ではサイボーグとなり登場した「雷電」 (らいでん) を主人公としたサイボーグ対サイボーグの人智を超えた戦いを描く。
ストーリー
世界の民間軍事会社 (PMC) を巻き込んだ「ガンズ オブ ザ パトリオット」事件から 3年 余りが経過した。戦争がビジネスとなった時代は終鴛を迎えるかに思われたが、アメリカのサイボーグ技術の流出が戦場に新たな非対称性を持ち込んだ。
かつて少年兵としてリベリア肉戦に多加、"ジャック・ザ・リッパー" の名で怖れられたという雷電は、現在はサイボーグとして民間軍事警備会社 (PMSCs) "マヴェリック・セキュリティ・コンサルティング" に所属し、新興国での要人警護や国軍の訓練などを請け負うことで糊口を凌いでいた。
しかし内戦を脱し復興を遂げたはずの国で、雷電達は多数のサイボーグを要する勢力に襲撃を受け、復興の立役者である首相は死亡。
敵の用心棒サムは雷電の剣が「快楽を怖れている」と指摘、雷電はサムに敗れ左目と左腕を失うことになる。
調査の結果、敵勢力は "デスぺラード・エンフオースメント" として米国に登記された PMC であると判明。さらに彼らが、米口の思惑が交錯するアブハジアにて首都を占拠したとの情報が入る。
ロシア出身のマヴェリック社代表ボリスは、ロシア連邦保安庁 (FSB) からの根回しを受けて、首都奪還の業務を受注。
新たなサイポーグとして再起動した雷電は、デスぺラード社とサムへの雪辱戦 (リベンジ) に赴く。
世界各地で暗躍するデスぺラード社と、その背後で蠢く (うごめく) 影、そして不可解なサムの発言。戦いの中で明らかになるのは、自由な情報発信が保証されてもなお剥奪され続ける "真実" 。
吹き荒れる暴力の嵐の中、過去と対峙した雷電は、一つの決断を下す--。


実写さながらのグラフィックス!!
オープンワールド!? KONAMI 小島プロダクション独自開発のゲームエンジン「FOX ENGINE」


ミリブロ読者であれば多くの方が夜な夜なハマっているであろう海外製のミリタリー FPS など「戦争」を題材としているアクションゲームに限って言えば、いかにリアルな舞台設定で、世界情勢をも鑑み、インスパイアされたストーリーの構築がおこなわれている点に注目が集まる。そして登場する銃器や装備がホンモノからの再現を如何におこなっているかに関心が寄せられる傾向にある。そしてまたそれらを、高度な映像技術により、どこまでリアリティー溢れる映像としてモニター上に投射できるのか、といったところが多くのミリタリーファンの支持に繋がっているように感じる。

小島監督によると「FOX ENGINE は既にある程度完成しており、ゲームを作りながらの中で調整していく段階に入っている」と説明。また小島監督は、「FOX ENGINE により世界のスタートラインに立てたに過ぎず、技術的にも熱量的な面でも世界に負けている日本のゲーム業界の実情を挙げ、これからの追い上げの中で、体操ニッポンがかつてそうであったように、再び日本のゲーム業界が世界の最先端に立つ日を目指す」、とした主旨のメッセージを力強く語った姿がとても印象的であった。
祝!! 「メタルギア」生誕 25周年 記念、各種グッズ展示




イベント会場の隣には、「メタルギア 25周年」を記念した各種のグッズが展示された。




METAL GEAR 25th ステッカー ステッカーセット(4枚組)
『METAL GEAR』25周年を記念し、『METAL GEAR』シリーズでおなじみのキャラクター・オタコンのロゴと特殊部隊「FOX HOUND」のロゴをデザインしたレリーフ状ステッカー。


日本発!の本格ミリタリー装備ブランド "VOLK TACTICAL GEAR" とコラボしたミリタリーキャップ。「メタルギア」シリーズの特殊部隊「FOX HOUND」ロゴが前面にあしらわれた迫力のデザインとなっている。


フィギュアメーカー「ホットトイズ」が手掛ける「ビデオゲーム・マスターピース」 1/6 スケールのフィギュアがリリース。


左:『メタルギア ソリッド3 スネークイーター』 1/6スケールフィギュア ネイキッド・スネーク(スニーキング・スーツ版)
右:『メタルギア ソリッド3 スネークイーター』 1/6スケールフィギュア ザ・ボス
共に、2012年10月 、メーカー希望小売価格 22,000円 (税込) での発売が予定されている。
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