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Fri, 25 Dec 2015 19:45:31 +0900
Tue, 20 Oct 2015 10:37:42 +0900
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SAT マガジン提供レポート「危機管理展 2015」
2005年から開催されている「危機管理展2015」。11年目となる今イベントは、10月14日~16日、東京ビックサイトで行われた。イベント名のとおり、災害・犯罪、あらゆる危機に対処する危機管理マーケットによる国内最大級のビジネストレードショーだ。一般ユーザーから警察・消防・自衛隊の装備品にも関わる商品も多く、非常に興味深いものとなっている。今回は2020年の東京オリンピック発表もあり366社が参加した。また、入場許可制の特別併催企画「テロ対策特殊装備展'15」においては148社、さらに同時開催展「東京エアロスペースシンポジウム2015」は、2009年から隔年で開催してきた「東京国際航空宇宙産業展」の形態を変更したもので、256社が集まった。3日間の危機管理展2015ののべ来場者数は約54.000名、テロ対策特殊装備展'15はのべ来場者数約14,000名の登ったという。
今年の特徴といては、一連のドローン事件を受けての、ドローン(UAV・無人機)対処システムだろう。監視カメラから、音感知・赤外線などを使用した検知器が多く見られた。また、イスラエルやイギリス以外にも海外企業ブースも参加した。そして、小詩記事「ワールドインテリジェントリポート」の著者、元公安調査庁で、現在日本大学総合科学研究所の教授である安部川元伸氏によるセミナー「国際テロ情勢について」がテロ対策特殊装備展'15の最終日に行われた。
本稿コンテンツは下記媒体の協力・提供によりお届け致します。
SAT マガジン
http://www.sat-mag.net/
Text & Photo: ストライク アンド タクティカルマガジン編集部 浅香昌宏
小詩 (SAT マガジン) 記事「ワールドインテリジェントリポート」の著者、元公安調査庁で、現在日本大学総合科学研究所の教授である安部川元伸氏によるセミナーもテロ対策特殊装備展'15で行われた。
10月から新編された防衛装備庁のブースでは艦艇装備研究所の無人航走体に関する研究を行っており写真はUSV(Unmanned Surface Vehicle:無人水上艇)1/8の模型。
東陽テクニカはアメリカ製のJetBootsを展示。ダイバーに直接水中モーターを装着して、泳ぎをアシストするものだ。
Artemisダイバーナビは、GPSアンテナを水上に浮上させながら水深100mまでナビゲーションが可能な支援装置。
イヨンインターナショナルはユナイテッドシールドインターナショナルのオリンピア爆弾処理防護服を展示。防護服のみで26kgある。
ICORテクノジー社の爆弾処理型ロボットMini-CALIBERをキャリアーバッグで梱包しているところ。
帝国繊維からはC-IED/地雷除去ロボットDOK-ING MV-4Kの模型。
こちらはCBRNテロ対応緊急事態対処ロボットの模型。完全リモートオペレーションが可能。
インドの防弾装備を開発するMKU PVTからは、各種の防弾チョッキを展示。
アイ・アール・システムからは銃砲用ボアサイト装置AWBS。このAWBSを銃砲身に挿入して画像と照準カメラの画像を比較してボアサイトとして使用する。
赤尾から、透湿防水機能付き防寒衣と曲げ畳式防弾盾、エマージェンシー・バンテージを展示。
三菱長崎重工はDefenshield社のMPFD防弾装甲盾を展示。実際にイラクの米軍施設ゲートにも設置されている。
三菱長崎機工も防弾盾をいくつか出展しいる中で、写真は組立式防弾盾。装甲板・防弾ガラス・フレーム・台車などバラバラに出来る。総重量はレベルⅣ装甲で290kg。
IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)は大きなジオラマを前面に。よく観ると発電所を防空ミサイルや艦艇、UAV、衛星で守っている。
IAIのUAV、HERON TP。全長14m、全翌26m、36時間飛行可能。
コーンズ テクノロジーからドイツDedron社のドローン検知器「ドローントラッカー」。近赤外線、カメラ(夜間)、音検知等の複数センサーを採用。
こちらはカナダAllen Vanguard社の携帯型妨害電波発生装置SCORPION。RCIED(無線起爆型簡易爆発物)を阻止するものだ。
セキュリティーの特定波長域撮影システム。カメラを通じて、偽札の検知やパスポートのスタンプ検知から血液・指紋・体液の鑑識まで肉眼では見えないものが写る。
セキュリティー内で出展するノーベルアームズ。写真はセラコートのステルスコーティングされたサングラスとレーザーグラス。
英国貿易投資総省国防安全保障機構(UKTIDSO)の合同ブースから。写真はドイツCOBHAM社製のEODロボット「teleMAX」。
イギリス・モーガン社の防爆服「SILVERBACK」。写真は4020エリートシリーズ。
こちらもモーガン社のLASAシリーズのタクティカルヘルメットと防弾プレート。スタイリッシュなフォルムだ。
日本海洋の高速ジェット式水中スクーター「BLACKSHADOW730」(写真左)。
DSEコーポレーションからはS&Gプレートキャリアーシステム。水中で使用できる防弾プレートだ。
タクティカルエレクトニクス社製のリスト・マウント・モニター。スコープや光学サイトとリンクして映像を手元でも観られる。
三菱電機の水中(海中)レーザスキャナー「U4LE」。40m以上先をリアルタイムに可視化。三次元情報を取得する。
写真上がクローラーロボット「CWD-STR」。主に情報収集が任務。重量20kg、2時間稼動可能。写真下は検知型遠隔探査装置「FRIGO-M」。化学剤下でも稼動して消防隊員の目となる。
日本通信エレクトロニクスからイスラエルRAFAEL Advanced Defense Systems社が専門メーカーを統合して出来たドローン・UAV検知・飛行妨害システム。写真はレーダー部分。アクティブ・フェーズド・アレーアンテナを搭載。最大30kmに反応する。
理経のドローン音響検知システム。指向性マイクセンサーで検知してPCに表示する。
衛星ネットワークは映像伝送システムを展示。先ず上部の気球は衛星通信システムを搭載した無人飛行船で、空撮画像を通信衛星経由でリアルタイムに地上に伝送する。写真下の無人車両(UGV)は自動走行するバッテリー車的な役目を行い、写真中のケーブル・ドローン・システム「YAGURA」を経由して電源を無人飛行船に補給している一連の動きを再現している。
ユーアールエーはイギリスで開発されたみリタリー・インフレータブルボート(MIB)シリーズの「470」を展示。全長4.7m、定員11名、55馬力。
突入用マルチラダーは、ストレッチャーとしても使用可能。
サポートマーケティングサービスは、6輪のArgoシリーズからを消防仕様にカスタム。官公庁専用仕様車両とのこと。
GIBBS Sports Amphibiansのquadskiは、タイヤを収納するとモーターボートに。まるで変身ロボットのようだ。地上・水上共に72km/h。
以前に本誌記事でも取り上げたホワイトハウス オートモービル。ポラリス社史上最強の水陸両用車コンセプトカーの名前は、 『RAMPAGE(ランページ)』。最高速度は80km/h。
レスキューオフロードビークル「MRZR2」。ポラリス社がミリタリー仕様のために開発したものだ。
高知県産業振興センターから高知丸高の津波避難シェルター「救難まんぼう」。定員6名、FRP製。かわいい丸型船だ。
トーハツの水陸両用車8×8 D2488B-P。後部には推進用プロペラ(スクリュー)が二つある。最大乗員数は8名。
プロップの逃走妨害装置、さす股「タックル」。カラーボールや警告ブザーも搭載。ロック付きで犯人を逃がせない。
サイトロンジャパンは本誌 (SAT マガジン) 広告でもお馴染みだが、写真は独ワルサー社のフラッシュライトやナイフ、マルチツール類。
B&W Internationalもドイツのケース会社で、写真は防水防塵ハードケース。自動空気圧調整バブル付き。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は低ソニックブーム設計概念実証D-SENDプロジェクトから「D-SEND♯2超音速実験機」の1/5スケール。本機は高度30.5kmから落下せさたという。
フジ・インバック/コバヤシ精密工業は無人航空機の開発・製造・販売・運用と、固定翼無人機向けエンジンの製造を行っている。
防衛装備庁は東京エアロスペースシンポジウムにも出展。写真は高運動飛行制御システムの1/5スケールモデルのラジコン。いわゆる国産ステルス戦闘機ATD-Xだ。
SAT マガジン
http://www.sat-mag.net/Text & Photo: ストライク アンド タクティカルマガジン編集部 浅香昌宏
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展示会レポート
Fri, 25 Dec 2015 19:45:31 +0900
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太平洋戦線ヒストリカルイベント「ざ・パシフィックフロント4」その2
2015年8月15日、和歌山県のサバイバルゲームフィールド「BattleLand-1」にて第4回となる太平洋戦線ヒストリカルイベント「ざ・パシフィックフロント4」が関西ヒストリカルイベント運営事務局主催で開催された。
太平洋戦線を題材としたヒストリカルゲームは昨今、数箇所で開催されるようになったが、中でもこのパシフィックフロントはその内容のリアルさ、参加者の意識の高さでトップレベルであり、海外からも注目されているイベントである。
イベント当日は突き抜けるような晴天の中、総参加者数92名、模擬戦闘参加者日本軍41名、アメリカ軍22名、出店11店舗と盛況であり、BattleLand-1一帯はまさに1944年にタイムスリップしたかのようであった。
今回も1944年の太平洋の島嶼戦をモデルとした架空の戦場「バトラン島」に上陸したアメリカ軍と迎え撃つ日本軍の想定で行われ、アメリカ軍が占領中の「255高地」に対し日本軍が攻撃をかけるシナリオが展開された。
今回は撮影枚数4000枚以上という膨大な数の写真の中から、特に厳選したものを中心に模擬戦闘について紹介しよう。
日本軍は想定される連隊主力の攻撃の補助として、バトラン島二五五高地の攻撃奪取を命じられる。
集結地へ前進する日本軍先遣小隊。
集結地にて小隊長は各分隊長に詳細を下達、偽装を行い行動を開始する。
一方Hill255の防御を命ぜられたアメリカ陸軍は、前日より陣地を構築し日本軍を待ち受けるが、陣地構築に必要な資材、時間はあまりに少なく充分な態勢は整えられなかったという設定。
また、防御の要である機関銃、ブローニングM1919は当初2挺が準備されていたが1挺が故障で使用できなくなり、急遽BAR(ブローニング自動銃)で対応。
アメリカ軍の潜伏斥候が陣地前程に潜み、日本軍の動向を逐一本部へと報告する。
日本軍は分隊ごとに斥候を出し、二五五高地にアメリカ軍を偵察、陣地の解明を行う。
これらは戦闘に際し、必ず行われるセオリーであるがここまで再現した行動を行うイベントは海外においてもほとんど無い。写真は小隊の後方から戦況を見守りつつ前進する中隊指揮班。
斥候により陣地を解明した日本軍は速やかに攻撃の計画を策定、連隊砲の支援を要請し、砲撃によってアメリカ軍の視界を塞ぎ、その間に鉄条網の切断を試みる。
アメリカ軍は陣地前面に迫った日本軍に対し、迫撃砲による防御射撃を実施。
更に各機関銃、小銃が陣内から射撃を始め、日本軍を足止めする。
日本軍は迫撃砲と機関銃の銃撃により損害を受けつつも、一部鉄条網の切断に成功し攻撃の突破口を開く。
準備が整った日本軍は、攻撃を開始。一気呵成にアメリカ軍陣地へと迫った。
日本軍の攻撃により、障害を突破されたアメリカ軍は、陣地を放棄し後退。日本軍は後退するアメリカ軍を追走する。
高地を占領しつつある日本軍に対し、アメリカ陸軍は一部部隊により逆襲を実施。大きな被害を与える。
アメリカ軍の後衛部隊が主力の後退を援護する中、日本軍の斬り込み隊が突入、激しい陣内戦闘が繰り広げられた。
以上が模擬戦闘の流れである。
その他の写真、記録など膨大な量をすべて紹介する事は不可能であるが、更に詳細はミリタリーブログ内にある関西ヒストリカルイベントのオフィシャルブログに掲載されているので、そちらも確認していただきたい。
今後も部隊、シチュエーションにこだわった「フロントシリーズ」と、第二次世界大戦テーマならなんでもokのサバイバルゲーム寄りのイベント「ヒスサバ」の二本立てでのイベント展開を続けて行くとの事。
公式サイト及びブログをチェックされたい。
取材協力:関西ヒストリカルイベント
http://his-event-kansai.com/
http://khe.militaryblog.jp/
https://report.militaryblog.jp/e719222.html
https://report.militaryblog.jp/e719222.html
軍装コスプレ・ゲームイベント(太平洋戦争)
Wed, 09 Dec 2015 20:39:52 +0900
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太平洋戦線ヒストリカルイベント「ざ・パシフィックフロント4」その1
2015年8月15日、和歌山県のサバイバルゲームフィールド「BattleLand-1」にて第4回となる太平洋戦線ヒストリカルイベント「ざ・パシフィックフロント4」が関西ヒストリカルイベント運営事務局主催で開催された。
太平洋戦線を題材としたヒストリカルゲームは昨今、数箇所で開催されるようになったが、中でもこのパシフィックフロントはその内容のリアルさ、参加者の意識の高さでトップレベルであり、海外からも注目されているイベントである。
イベント当日は突き抜けるような晴天の中、総参加者数92名、模擬戦闘参加者日本軍41名、アメリカ軍22名、出店11店舗と盛況であり、BattleLand-1一帯はまさに1944年にタイムスリップしたかのようであった。
今回も1944年の太平洋の島嶼戦をモデルとした架空の戦場「バトラン島」に上陸したアメリカ軍と迎え撃つ日本軍の想定で行われ、アメリカ軍が占領中の「255高地」に対し日本軍が攻撃をかけるシナリオが展開された。
まずは前日の有志による準備段階から写真を中心に紹介する。
BattleLand-1の特徴の一つである広いセーフティゾーンに当時を再現する軍用テントが立ち並ぶ。
日本軍は大天幕1張りと、個人用携帯天幕を多数連結した幕舎が建てられた。
アメリカ軍はイベント本部も兼ねる中隊本部テント、実際の運用も考慮した野戦治療テント、個人用シェルターハーフテント等が建てられ、更に巨大な水嚢が参加者全員の水分補給に使用された。
日本軍参加者の有志により教練会が実施され、当時の兵士の動作や小銃の持ち方などを学ぶ。これらは面倒なようだがやってみるとなかなかに面白く、またリアルさを表現する上で欠かせない物であると気付く。最近のヒストリカルイベントでは、有志によりこのような教練会が行われている所も多い。是非、参加してみてはいかがだろうか?
一方アメリカ軍参加者は、翌日の日本軍の攻撃に備えた防御陣地の構築を行った。機関銃座と、それを中心にロープを使った障害、想定鉄条網を張って突撃破砕線を作り上げる。攻撃側に比べて少人数でも、しっかりと防御するために必要であり、これも歩兵の基本の作業と言える。
このイベントでは、実際に当時の軍隊が使用したものに近い障害を構築する事で防御側、攻撃側ともに「歩兵の行動」をそれぞれ体感する事ができるのである。
日本軍参加者の一部は、飯盒炊爨で当時の生活を再現していた。固形燃料で米を炊き、缶詰や漬物をおかずに食べる。普通のキャンプでも外で食べると美味いと思うが、今日は格別なのは昼間からよく動いた証なのだろうか。
天幕内で明日の攻撃について打ち合わせる日米両軍の小隊長と各分隊長。そう、このフロントシリーズでは階級章や軍服だけでは将校、下士官として扱われない。その能力がないと、多くの参加者を責任を持って率いる事はできないのである。
イベント当日
朝早くから受付が始まり、多くの参加者がレギュレーションに合わせた軍装で闊歩し、命令や伝令が飛び交う中、緊張感と興奮のなんとも言えない雰囲気が支配し始める。
セーフティゾーンの大屋根の下では10店を超える軍装店がパシフロ出張出店を行い、さながらミニミリタリーショーの様相を呈していた。野外イベントの特別価格で販売している所も多く、手ぶらで来てもレギュレーションに必要な装備は全部揃うのではないか? と思わされる。
開会式に引き続き、参加両軍の編成式が行われる。
これは本来もっと大きな部隊で行われるものであるが、イベント用にディフォルメして実施された。
アメリカ軍は小隊の整列と戦闘準備の完了を中隊長に報告し、中隊長から訓示を受ける。英語で行われた号令のやり取りが雰囲気抜群でカッコ良い。前日の陣地構築に追われ、訓練の間が無かったがなかなかどうして、統率が取れている。
日本軍は軍装検査、と呼ばれる項目を実施。これは部隊長が、自分が指揮する部隊員の被服装備はもちろん健康、士気を確認するものである。気合の入った号令が気を引き締め、日本軍の部隊編成は完成した。
ここから各部隊はイベントのメインである模擬戦闘に参加するわけだが、それは別項で紹介するとして、もう一つのフロントシリーズの特徴である再現昼食の配布について紹介する。
日本軍は輜重部隊の支援を受けたとの想定により、温食が支給された。白米、筑前煮、沢庵漬けとなかなか豪勢にも見える。それ以外に参加者の体調を考慮し、再現としてはおかしいがよく冷えた清涼飲料が配布されていた。
アメリカ軍は10in1レーションと呼ばれるグループレーションの再現を支給。そのままで食べれる肉の缶詰、クラッカー、菓子、ガム等で構成されている。また、日本軍同様オレンジジュースが支給された。
取材協力:関西ヒストリカルイベント
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https://report.militaryblog.jp/e719183.html
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軍装コスプレ・ゲームイベント(太平洋戦争)
Wed, 09 Dec 2015 18:34:40 +0900
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公式ライセンス取得で完全再現 KRYTAC「War Sport LVOA」フォトレビューと開発者インタビュー
アメリカの銃器インストラクター、クリス・コスタ氏が使用しているWar Sport社の「LVOA」の公式ライセンスを取得、電動ガンで再現するとKRYTACがアナウンスしたのが2014年。いよいよアメリカでは2015年12月に出荷開始となり日本でも2016年1月に開催される「Costa in Japan 2016」でコスタ氏が使用する公式カービンとして決定した。今回は日本に2つしかない量産サンプルで細部を紹介するとともに、KRYTACのプロジェクトマネージャーにお話をうかがった。
アメリカのWar Sport社から正式なライセンスを受け、銃身長16.25インチの「LVOA-C」ハンドガードを再現している。
「LVOA」は「Low Visibility Operation/Applications(低視認性射撃用)」の意。マズル近くまで伸びたハンドガードによって、閃光の光量を抑える効果があるという。
ハンドガードとグリップ以外は、先日レビューした「Triodent」シリーズがベースとなる。
フラッシュハイダーも再現。
公式ライセンス取得ならではの「WAR SPORT」の刻印入りである。
レシーバーのデザインは「Trident」と共通だが刻印は一新されている。トリガーは実銃のLVOAに付属するCMC Triggers社のパーツと同じデザインのストレートトリガーになる予定とのこと。こちらもライセンスを取得したそう。
レシーバー左側面のWar Sportロゴ。
セレクターはピクトグラム刻印
グリップは専用デザイン品。
右側刻印も「LVOA」に変わっている。見せていただいたものは量産試作品なので、今後刻印の内容が変更・追加になる可能性はあるそう。
最も特徴的なのがこちらのハンドガード。実銃では伸縮性のコードが巻きつけてあり、これを解いて穴に通し、壁や天井から吊るすような使い方も考えてられている。
レールのトップ側。「Trident」と同じく加工はきれい。
バレルナット、アッパーレシーバー、ハンドガードはこのように高い精度で加工・組み立てされている。
塗装は通常版が「Trident SPR」と同じくフォリッジグリーン、こちらのウルフグレーは数量限定版となる。マットで少しブルーがかっており、日光に当てた時の質感は独特のものがある。
プロダクトマネージャーのアレン・ラウ氏に話を聞くことができた。
MilitaryBlog(以下MB):
それではKRYTACについて、日本の読者のために簡単に紹介をお願いできますか?
アレン・ラウ氏(以下AL):
KRYTACはKRISSグループのブランドの一つです。KRISSは、顧客に様々な口径・スタイルの射撃プラットフォームを提供することを目的としていて、ご存知のVectorから、ハンドガンのSPHINXまでラインアップがあります。今は口径をバリエーションを広げるべく、22口径の製品を強化しています。
KRYTACはKRISSの中でも若い人をターゲットにしたブランドです。シューティングスポーツの世界では、若い人はまずエアソフトガンから入ってきます。なのでまずエアソフトガンを作り、その次にまったく同じ形で22口径バージョンを作る計画です。「Trident」の22口径の実銃バージョンも来年ですね。
Tridentのハンドガードを作っているDEFIENCEはアクセサリーのブランドです。今はトリチウムサイトが主ですが、今後レールやグリップ、ストックに展開していく予定です。
MB:
つまり「エアソフトガンを作った」と言うよりも、口径のバリエーションとして6mmBB版があるということでしょうか。
AL:
実銃と素材は違うけれども、同じデザインにしています。22口径版のTridentは2016年を予定、Vectorは進行中で、まだなんとも言えない感じですね。
MB:
War Sportの公式ライセンスを取得していますが、どのような経緯で契約に至ったのでしょうか。
AL:
詳細な部分については担当ではないんですが……この業界の横のつながりは深く、メーカーどうしやシューター、トレーナーは顔見知りです。そういうつながりから「今度○○とコラボしてみたら?」という声がかかることがよくあります。LVOAもそんな感じですね。彼らと契約できて嬉しく思います。ハイダーもWar Sport社のライセンス済みですよ。
MB:
ハンドガード以外でのセールスポイントはなんでしょう。
AL:
そうですね。メカボックスにはこだわりました。電装はMOSFETですし、ギアの材質も高密度で強度が高いものです。USバージョンではかなりハイトルクなモーターを使用しますから。セレクターもアンビですしピストルグリップも新規デザインです。
MB:
非常に軽量ですよね。
AL:
そうですね。LVOAはハンドガードの分すこし重量が増えますが、Tridentはハンドガードも細いし持ちやすいと思います。
MB:
同じモデルのなかでの口径バリエーションとして、エアソフトを展開しているということでした。軍や警察にもトレーニングウェポンとして売り込んでいるそうですが評価はどうでしょう。
AL:
まったく同じものではなく、訓練用の別の製品になります。詳しいことはちょっと話せないのですが(トレーニング用エアソフトガンとしては)北米では高いシェアですね。ヨーロッパ・UKでも好調です。
MB:
当初はそうした北米・ヨーロッパのマーケットを中心に売っていく、ということでしたが今回日本での展開を決めたのは何がきっかけでしょうか。
AL:
アジア市場に興味はあったのですが、タイミングをうかがっていました。まずUSやEUのブランドとしてのイメージをしっかり構築したかったのです。この辺りを理解してくれるパートナーを探していて、Laylaxに出会いました。
MB:
次はどんな製品が予定されていますか?
AL:
ですね。まず電動ガンバージョンのVectorが出ます。いい感じで開発が進んでいて来年発売できると思います。それから「TR-47(AK-47のマガジンを使用できるAR-15バリエーション)」ですね。これも2016年中には出せます。他にも様々なバリエーションを企画しています。
日本っていうのは僕らが子どもの頃から遊んでいるエアソフトガン文化の生まれ故郷で、そこでエアソフトガンをリリースできるのは僕にとってすごく感傷的なことです。嬉しく思います。
MB:今日はどうもありがとうございました。
取材協力:LayLax (ライラクス)
http://www.laylax.com/
Photo & report: dna_chaka
https://report.militaryblog.jp/e712949.html
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新製品レポート
Fri, 20 Nov 2015 20:29:11 +0900
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医療系ギアを開発するチヌーク・メディカル・ギア社にみるアメリカでの装備事情
技術やノウハウは日々進歩しているため、支給品の装備はすぐに時代遅れになる。日本の組織でも「私物」のギアを使用している例をよく見かけるようになった。これらのギアは俗に「タクティカル・テイラー」と称される様々なメーカーが企画・開発を行っているが、その中の一つ、医療系ギアを扱うアメリカのチヌーク・メディカル・ギア社を訪問し、ギア事情を取材した。
チヌーク・メディカル・ギア社はアメリカ中西部・コロラド州の南部にあるデュランゴに所在する。
古くから鉱山の街として栄え、現在は観光地としての側面を持つ一方、コロラド・ユタ・ニューメキシコ・アリゾナの4つの州が接する「フォーコーナーズ」エリアの中心的な存在として、物流基地が整備されている。多くのメーカーが人口密集地や軍基地の周辺に拠点を持つ中、チヌーク・メディカル・ギアはこの地を拠点に25年間、医療系タクティカルギアの開発に携わってきた。
チヌーク社のオフィス。
商品はここに集積され、カスタム内容に合わせてパッキングされる。
近年、退役した兵士達が起業する例が増えており、政府も退役兵の社会復帰対策として様々な助成を行っている。中でもギアメーカーや納入業者は軍時代のノウハウやコネクションをそのまま利用できる職種であり、マガジンポーチやプレートキャリア、ホルスターといった「花形装備」では競争も激しい。
そうした中、チヌークは医療系ユニットのためのギア開発という市場を選んだ。支給品のギアの性能と、現場の要求するレベルには常にギャップが存在し、そこにビジネスチャンスが存在する。医療系のような特化したギアほどニッチなニーズが存在し、チヌークはそこで揺るぎない立場を築いている。
汎用性が狭くなるため、マーケティング活動は見本市への参加などに限っているが、医療分野についてはエキスパートであるということから口コミで安定した受注があるようだ。ギアメーカーは通常、雑誌広告などに加えて講習会やトレーニングなどを主催するなどして潜在的な顧客への認知を広げているが、チヌークは企画・開発に資源を集中している。
見本市のための物資集積所。何箱ものペリカンケースに展示用商品が梱包されている。
新製品の海兵隊向け医療パッケージ。
バッグやケースのストックに加えて、医療品やキットも大量に在庫されている。チヌーク社では原則として、ギアとカスタマイズされたキットを合わせて納入している。
日本のメーカーのメディカルツールがいくつか見られた。
メーカーとしての目標はもちろんNSN番号の獲得 つまり軍の制式装備に選ばれることである。しかしこれはどのギアメーカーにも共通する目標であり、その競争は激しい。加えて医療系ギアは中身の医療キットありきの存在であり、そのキットの更新は数年に一度である。
このため主な顧客は予算が比較的自由な特殊部隊や、司法・行政の救急チームなどの小・中規模な組織となる。こうしたチームを狙い以前はギアを景気よくバラまくようなメーカーも存在していたが、今ではそのような行為は制限されている。特殊部隊の場合、新規ギアはまずごく少数、2~3点が納入され厳しい評価テストが行われるという。
一言で「医療系ギア」といっても、その構成要素は様々だ。使用するユニットによって最適なキットの内容は違うし、機材の進化によって量も増減する。例えばAED装置や血中酸素濃度を計測するパルスオキシメーターなどはポータブル化が進み、必須の装備になって久しい。チヌークは現場に近い組織との対話を繰り返すことで成長していった。現在はギアに加え、バンデージや緊張性気胸用のチェストシール、減圧ニードルなどキットそのものの企画・提案を行っている。
サンプルがかけられた壁。中身であるキットが収まるかどうかのフィッティングに用いられるようだ。
独立したバッグ、ケースだけでなくバックパック用のインサートなど、様々なスタイルのギアバッグが並んでいる。
ユニークなところでは、服の下にコンシールできる応急処置キットポーチがある。これは警察組織からの要望で作られたもので、私服の捜査官が目立たずキットを携行できるようにするものだ。強制立ち入り検査で負傷者が発生する可能性は低くない。かといって私服の捜査官が医療キットをぶら下げて周囲をうろついていては、捜査対象に検査があることを知らせているのと同じであり、そのためこうした目立たない携行手段が必要となる。
近年のチヌーク・タクティカルでは、応急処置とMEDEVAC(後方の医療施設への送致)の間を埋める「Prolonged Field Care(PFC)」の研究と対応が進められているとのこと。敵陣深く浸透する特殊部隊・空挺部隊では負傷兵を後方に送るのが難しい。PFCでは従来の応急処置よりもはるかに高度な医療的処置を現場の限られた機材で行い、長期間の生命維持を目指している。
また、いわゆる「タクティカル市場」以外へのラインアップの多様化も目標の一つだ。例えば大災害の際の持ち出しキットや支援物資などは、関心も高まりつつあり、大量の需要が見込める分野となる。
装備品はどれもそうだが、特に医療系ギアの性能は生死に直結している。アメリカでは様々な企業が、現場の人たちの命を守るためという認識を持ち、互いに競争しつつギアの性能を高め続けているということが改めて認識できた取材だった。
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メーカー訪問
Tue, 10 Nov 2015 20:28:46 +0900
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ネイビー・シールズ基準の腕立て伏せにチャレンジできるイベント「Luminox @ OSAKA」レポート
アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズの元隊員とともに、Luminoxの世界観を体験するイベント「Luminox BASH」の3日目。舞台を大阪に移し、ネイビー・シールズの入隊基準「腕立て伏せ2分で42回」に挑戦するイベント「Luminox CHALLENGE!!」が行われた。
茶屋町のロフトの前に作られた特設ステージ。
Loftの時計ショップ「オンタイム」とLuminoxのブース
新製品「CAMO 3050シリーズ」はここでも展示されていた
ベースモデルに日本限定カラーを施されている
「Luminox CHALLENGE!!」はネイビー・シールズの入隊審査で行われるPhysical Screening Test (PST……体力選考試験)の基準、1分間で42回を超えられるかどうかというコンテスト。Luminoxをシールズにもたらした当時の研究開発担当、ニック・ノース氏がホストとなりPSTをちょっとだけ体験できる。
42回でクリア賞、そして最高回数を記録した人が優勝者となる。42回をクリアする人は何人現れるのか……と見ていると、優勝ラインは100回を超えたところからという予想以上にハイレベルな戦いになってしまった。
プッシュアップはもちろん、声が出ないと出るまでやりなおし。
135回という大記録の優勝者。アメフトをやっておられるとか。
ノース氏が個人的に送ったトライデント
また赤外線銃でのレクチャーも行われた。これらはHotSprings株式会社が開発中のもの。各地でデモを行っているので、見たことがある人もいるかもしれない。
P90のエアソフトガンの中にメカニズムを内蔵したタイプのもの。赤外線銃は弾を飛ばさず、目にも影響のない赤外線ビームを使用するのでこのように街中でも射的ゲームで遊ぶことができる。
こちらはサプレッサーっぽい筒にユニットを収めたもの。
本体の改造は最小限のまま赤外線銃として使用できる。これはTOPのカート式M4。赤外線銃ながら薬莢が飛ぶので撃っている実感がより強く感じられる。
初心者向けにオールドスクールな構えを見せてくれるノース氏 。
記念撮影にも気さくに応じていた。
「ネイビー・シールズお墨付き」のイメージが強いLuminox。しかし今ではありとあらゆるエクストリームななカルチャーを支える存在になりつつある。色々なコンテンツが集まった「Luminox BASH」イベントは、まだまだ広がりつつあるLuminoxの世界を存分に楽しむことができた。
ミリタリーウォッチ「ルミノックス (Luminox) 」
http://luminox.jp/Photo & report: dna_chaka
https://report.militaryblog.jp/e702206.html
https://report.militaryblog.jp/e702206.html
イベントレポート
Tue, 13 Oct 2015 20:25:33 +0900
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元ネイビー・シールズと思いっきりサバゲできた「Luminox BASH 2015」2日目レポート
エクストリームな環境にも耐えぬくタフな腕時計「Luminox」のプロダクトと、そして世界観を表現するパーティイベント「Luminox BASH 2015」の2日目は「サバイバルゲーム」。アメリカ海軍特殊部隊「SEALs」の元隊員たちとともにゲームやエクストリームスポーツのデモを楽しむ1日となった。
会場となった千葉県酒々井(しすい)のOperation Freedom。
メインMCは1日目に引き続き戦え!ぴっちょりーなさん。
前日は雨で天候が心配されたが、この日1日、大降りになることなく無事終了。朝は肌寒かったものの終わる頃には晴れ間も見えていた。
会場に現れたSEALsの3人
「おい見ろよ!彼ら空中偵察機まで持ち込んでるぜ!」と仲間に伝えている一コマ。 やはり海外から来た人は日本のサバイバルゲームカルチャーがものすごく珍しいようで、勝敗を競うだけでなくコスプレやガジェットで楽しむ参加者達に強い興味を示していた。
ゲーム中・ゲーム外を問わず、様々なシーンを撮影していたようだ。
この日は最初3チームで通常戦、その後2チームでの変則ルール戦が行われた。
ゲームマスターは YUMA☆氏
元SEALsの3人はまずサバイバルゲームの様子をじっくり観察することに決めたようだ。
Operation Freedomは人の背の高さほどの土塁がある平原と森林で構成されたフィールド
観戦台からゲームを眺める元SEALs。外国から来て初めて日本のサバイバルゲームを見た人達は、コスプレなどのパフォーマンスを楽しんだりする様子に必ず驚く。海外の「エアソフト」とは違って勝敗を競うだけではない「サバイバルゲーム」の様子に「スポーツでもあるし、パーティーでもあるんだね」と感心していた。
その一方で、ゲーマー達のいい動きや「あの道がキルゾーンになりやすいね」「2つ目の丘のラインはまだ誰も超えてないね」などフィールドを冷静に観察していた。
ゲームが終わるごとに、1チームずつデブリーフィングが開催された。
スポーツはチームで行うものというのが普通なので、知らない人どうしが集まる「定例会」というものは想像しにくかった様子。チームビルディングにはじまり互いのカバーのしかた、バリケードの使い方などが強調されていた。
「君たちはもうチームだ。誰かリーダーを決めて、作戦を立てるんだ」という指示が出て、初めて会ったどうしで作戦を練る赤チーム。
Luminoxはブースを出展
かなりのセールを行っていたようで、その場で購入していく人もたくさんいた。
買い占めを考える石油王とSP、のコスプレの人たち
1日目に引き続き、新製品「CAMO 3050」も展示されていた。
サバイバルゲームをイメージしたカラーリングで、各色限定200本、2015年12月発売。
日本限定のラインアップになるとのこと。
その他様々なブースが出展していた。
さて、イベント中、少し時間を割いていただけたのでサバイバルゲームのことや、訓練のこと、そしてLuminoxのお話などをうかがうことができた。
MilitalyBlog(MB):
今日初めて見た日本のサバイバルゲームについて、どう思いますか?
SEALs:
ファンタスティックだね。思っていたよりもずっと、ずっと大きなコミュニティのようだ。
MB:
アメリカでエアソフトをやったことは?
SEALs:
いままでにはなかったかな。でも戻ったらやるよ。これは気に入った。大好きだ。深いし個性的で、みんな装備に凝っている。すごいことだ。
Nick North氏。1970~1999の間海軍に在籍しSEALs Team 1、Team 5、SDVチーム、UDTなどに所属。その後海軍特殊部隊のR&D部門で様々な装備の開発・調達を行う中、Luminoxと出会う。
MB:
デブリーフィングではいろいろ指示を出したりアドバイスをしていましたが今もそうしたお仕事を?
SEALs:
退役したSEALsはインストラクターをすることがよくある。コンサルタントもね。それらは射撃やタクティカルなトレーニングだけじゃなくて、例えば企業のチームワーク研修なんかもやったりする。
MB:
やはりハードなものなのでしょうか。
SEALs:
ストレスはかけるけど、そういうときはチームワークが生まれて、お互いに絆が生まれるようなレベルに調整するよ。僕らが受けた訓練とは違う。
MB:
今日来ている人はデブリーフィングでチーム作りや作戦立案を指示されて、ちょっと困っていたみたいですね。
SEALs:
今までに考えたことがないようなことだからかもしれないね。普段は個人でゲームをしているんだと思う。でもチームを組むことができるなら、よりたくさん勝てるようになる。ゲームの内容もぐっと面白くなるはずだ。
Donald Baker氏。 1976~1986の間海軍に在籍しSEALs Team 2に所属。
MB:
みなさんにとって最もストレスフルな状況というのはどのようなものでしたか?
SEALs:
ストレスというよりも、居心地の悪い(unconfortable)環境というのが問題だったかな。例えばものすごく冷たい水の中に長時間いることとかね。この世で一番ストレスフルなのは子育てだと思うけど(笑)軍事的状況以外でも思い通りにいかないことはたくさんある。ともあれ、一番居心地が悪いのは寒いところだった。冷たい水の中というのは、恐らくほとんどすべての訓練生にとってストレスだ。
違う角度からこの質問を考えてみたいね。面白い質問だと思う。ある人はBUD/sと答えるだろうし、ある人はフリーフォールと言うかもしれない。僕は15000フィート(4500m)から降下して、800フィート(243m)までパラシュートが開かなかったことがある。すごいストレスだった。僕はともかく見ている人達にはね。
MB:
精神的にストレスフルな状況というのはどうでしょうか。
SEALs:
インストラクターが限界を引き上げてしまう時かな。「もっとできる」ということを教えてくれようとするんだけれど。あるいは「やめたい」と思わせるところまで。やめてしまう臨界点までね。僕達の場合は臨界点を超えなかった。でもほとんどの人には限界が来てしまう。
僕のクラスは最初130人でスタートした。でも最後には21人しか残らなかった。中には負傷で続けられなくなった人もいるけれど、ほとんどの人は自分からやめてしまうんだ。
訓練が終わって、朝起きたらいなくなってしまった。そしてだんだん少なくなっていく。80いくつだったか忘れたけど、合格者を出せなかったクラスもある。3人まで減ってボート漕ぎ訓練の定員を満たせなくなって、次のクラスに繰り越されたんだ。消えたんだよ。
ストレスといえば、みんな目標を立ててがんばるよね。僕らの場合はBUD/sをクリアするとか。それは違うんだ。その瞬間をがんばるのが大事なんだよ。とにかく今を乗り切る、この1分だけがんばる、ほんのちょっとの間、時間が過ぎるのを待つんだ。そうして小さな小さな塊を集めていたら、ある時卒業式に出ているのに気づく。やったぞ、やり切ったんだってね。目標は大きすぎると、心がついていけない。その瞬間のことだけを考えることが大事なんだ。
MB:
「瞬間(moment)」といえば、軍ではあらゆる時間や、それを測る機械についてとても厳しい考え方をしていると聞きます。そういったことに関して何かエピソードがあれば。
SEALs:
訓練だと「40分以内にゴールしろ」とか言われる。クリアできないと罰がある。彼らは罰を与えるのがうまいんだ。
MB:
腕立て伏せとか
SEALs:
腕立て伏せもそうだけど、海の真ん中に放り出したりとか砂まみれにさせたりとか。そして全部やり直しさせて再計測だ。せっかくゴールしたのにもう1回同じことをやらされるのはストレスだよ。
でもこれで学ぶんだ。作戦が急に変更になっても対応する力をつけることができる。何事も自分が思った通りにはいかないもんだ。柔軟になって、体力的・精神的なチャレンジに立ち向かう準備をしないと。
David Mitchell氏。 1970~1982 UDT SEALs Team 1
MB:
そしてあなたとLuminoxは1994年に時計を生み出しました。
SEALs:
そう。研究開発部門にいた時、時計の見本市を視察した時にLuminoxに出会った。それからデジタルもアナログもとにかくあらゆる時計を全部テストにかけて、残ったのがLuminoxだけだった。選ぶのは楽だったよ。動いているのはLuminoxだけだったんだから。
MB:
Luminox以前にはどんな時計を使っていたんでしょうか。
SEALs:
時期によっても違うけど市販のダイバー用のものを自分で買って、テストにかけてから使っていたかな。超高級なものを使う人もいたし、安価なものを選ぶ人もいた。チームでまとめて支給しているところもあったようだが、まちまちだね。
ともかくLuminoxはテストをすべて突破できた。オーブンで焼いても動いた。砂漠の車の中に置いておいたらすごく熱くなってしまうものだから。冷凍庫に入れても動く。僕らはアラスカや極地でも活動する。暑くても寒くても落としても動く、そして暗闇の中でもきちんと見える、そんな時計だ。僕らが退役してからだいぶ後、2014年に同じテストをやったそうだけれども同じ結果が出たようだよ。
MB:
時計に求める最も重要なことは?
SEALs:
耐久性と精密さだ。潜水した時に水が入るようでは困る。見た時はいつでも正確でないといけない。とにかく性能は決定的に重要なファクターなんだ。ヘリで離脱するときに乗り遅れたら置いて行かれて、歩いたり泳いだりして帰ることになる。それは困るだろう?それから爆発物を使うときは、特に時間に正確でないといけない。爆発物にヒューズをつけた後は、ものすごいスピードで泳げるようになる。巻き込まれたくないからね。時間の大切さは訓練の一番最初から徹底的に叩き込まれる。できなければ去ることになる。
Luminoxは正確だ。1回合わせたら2度と狂わない。それが事実だ。
MB:
これからLuminoxにあえて追加したい機能といえばなんでしょうか。
SEALs:
そうだね……文字盤の下の方にデジタルの表示があるといいかな。精密なタイマー機能も欲しい。デジタル機能つきのものは今Luminoxと開発しているところだよ。
午後はまず、トライアルライダー・野本佳章氏のデモ走行から。トライアル競技のコースをフィールド内に実際に設置し、それを実際の試合と同じようにクリアしていくという、ちょっと変わったデモが行われた。
普段自分でもバイクに乗るというニックが、その場静止3秒に成功。
最後は日本人ただ一人というバックフリップで決める。
そしてシューティングレンジで希望者全員にシューティングテクニック講習が行われ、基本的なガンハンドリングやスタンス・フォームのチェックが行われた。
号令に合わせて射撃する参加者達。細かくチェックが入り、だんだんとフォームや射撃のタイミングが揃ってくる。
トリガーと指の位置関係などかなり細かいところまで目配りしていたようだ。
メディック戦、そしてLuminoxウォッチを持った人だけがフラッグゲット出来るルールのフラッグ戦など変則ルールを幾つかこなした後は、元SEALsも参加する孤立チーム救出戦となった。
ペイントボールの経験はあるが、エアソフトを使ったサバイバルゲームには初めて参加するという2人。
フィールド内の味方を集めて即席チームを作りながら、積極的に指示を出してゲームを展開していたのは、さすがに元本職という面を見せてくれた。
最後は抽選会。
そして、SEALsの3人がそれぞれ「今日輝いていたサバイバルゲーマー」を選んで2日目も終了した。トライアル競技デモやシューティング講座など、ゲーム以外のイベントも充実、ゲストとの距離感も近く楽しいお祭的なイベントになったのではないだろうか。
ミリタリーウォッチ「ルミノックス (Luminox) 」
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https://report.militaryblog.jp/e700749.html
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サバゲーイベントレポート
Thu, 08 Oct 2015 17:07:48 +0900
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Luminoxウォッチの世界観を目一杯楽しめるパーティイベント「Luminox BASH 2015」1日目レポート
陸海空あらゆる場所で作戦を遂行するアメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALs。人間が耐えられる極限の環境におかれることもある彼らが求める正確さ・タフさを備える腕時計「Luminox」シリーズの世界観を体験できるパーティイベント「Luminox BASH」が2015年9月25日から開催された。クラブイベントあり、サバイバルゲームミーティングありのまさに「BASH(盛大なパーティ、バカ騒ぎ)」な様子をお伝えする。
1日目の会場となった渋谷・道玄坂の「Glad(グラッド)」
エントランスにはLuminoxデザインの巨大なウォールクロックとともに、オリジナルLuminoxから最新のものまでプロダクトが展示されていた。
「世界中のいつでも、どこでも時間をひと目で確認することができる」というLuminoxのタフさと正確さを「SEA(海)」「AIR(空)」「LAND(大地)」「SPACE(宇宙)」の4つの言葉で表現、それぞれにアトラクションやトークショーを充てていくという趣向。
当日の司会進行は戦え‼ ぴっちょりーなとnico氏
まずは「LAND(大地)」から、LuminoxがサポートするBMXライダー、佐々木元氏のデモ。
BMXフラットランドの世界トップライダーの1人である佐々木氏は、2010年、2011年にはBMX界のアカデミー賞NORA CUPをアジア人初の2年連続受賞。ステージをいっぱいに使ったダイナミックなライドを見せてくれた。
「SPACE」では発明家・エンジニア・アーティストの岩谷圭介氏の実験動画が紹介された。
「Ref.3001.RH」をヘリウム気球で超高空まで飛ばし、どこまで動作するのかを試したこちらの実験。上空の低温によってバッテリーが放電を停止する瞬間があったものの、時計そのものには何の問題も発生しないというタフさを見せつけた。
そして「BASH」に欠かせないエンタテイメントもあり。こちらは「Anything is Possible 不可能なんてない」という熱いメッセージのサッカーパフォーマンス集団「球舞」。
そして、今回の目玉、LuminoxとSEALsが出会うきっかけとなった元海軍特殊部隊所属の研究開発担当オフィサー、Nick North氏と、同時代に特殊部隊に在籍していたDavid Mitchell氏、Donald Baker氏。翌2日目に時間をいただき、少し深い話が聞けたのでそちらでご紹介する。
「AIR」にDragonと2GOOの「SGF Breakers」による空軍をイメージしたブレイクダンス。
そして最後は大抽選会が行われた。
Luminoxはエクストリームな環境に生きる人達をサポートしているがそれらが一堂に会する機会はなかなかない。全く違うけれども、Luminoxというテーマで繋がっているカルチャーを肌で感じ、理解できるイベントだった。
ミリタリーウォッチ「ルミノックス (Luminox) 」
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https://report.militaryblog.jp/e700309.html
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イベントレポート
Tue, 06 Oct 2015 19:48:58 +0900
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ガールズ&パンツァー Ⅳ号戦車日本上陸作戦です!
一大戦車ブームを巻き起こしたアニメ、「ガールズ&パンツァー」。
11月21日の劇場公開記念イベントが、8月29日(土)ベルサール秋葉原にて開催された。
東京・秋葉原の中心地に実物大のⅣ号戦車を展示。劇中で「あんこう音頭」を歌う佐咲紗花さんによるLIVE+あんこう踊り、各種トークライブなどのステージショーの他、打倒戦車隊(射的)や戦車砲塔輪投げゲームなど試遊コーナーも満載の盛大なイベントとなった。
同アニメは戦車を使った武道である「戦車道」が存在する世界を描いており、劇中では第二次世界大戦時の戦車を女子生徒達が運用し、戦車同士の試合を行うというものだ。
主人公の西住(にしずみ)みほと友人たちの2年生5名「あんこうチーム」が運用する主役機が、「IV号戦車D型」である。
実物大であることが目玉となっていたが、実際の外見も非常に作りこまれたものだ。
あんこう音頭のステージ。楽し気な歌とダンスで会場の活気を更に盛り上げる。
遊戯コーナー。来場者が楽しめるよう、様々なアトラクションが設けられた。
映画情報やギャラリー、大洗町関連PRブース等も設置されていた。当日は開場の1時間前から長蛇の列。
5,000名以上の来場と生中継されたニコニコ生放送では約6万人が視聴したという。
主役機に搭乗する、あんこうチーム。
劇中のキャラクターにそっくりな5名がオーディションで選ばれた。
西住みほ役はミリブロガーの「栗山ゆき子」さん。陸上自衛隊予備自衛官も務める彼女、敬礼も様になっている。
「栗山ゆき子@駆け出しみりどる」
http://yukko.militaryblog.jp
開催日:8月29日(土)
時間:12:00~17:00
開場:ベルサール秋葉原
主催:Ⅳ号戦車日本上陸作戦実行委員会
共催:バンダイビジュアル株式会社、株式会社平和、株式会社ランティス、大洗町商工会
企画協力:Wargaming Japan、株式会社ショウゲート、株式会社ホビーリンク・ジャパン、Weta Workshop Limited、株式会社カマド、大洗まいわい市場、株式会社アクタス
公式サイト:http://4go-projekt.jp/Text: Acorn
Photo: H.Endo
https://report.militaryblog.jp/e698950.html
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イベントレポート
Thu, 01 Oct 2015 18:03:49 +0900
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アメリカにおける警察用射撃訓練シミュレーターの実際
コンピューターの高度化・低価格化によって、軍・警察の訓練用シミュレーターもまた低コスト化し導入例も増えているようだ。しかしこれを使って実際に何をどのように学ぶことができるのか、というのは一般的にはあまり公開されていない。今回、ライセンスを取得した一般市民や新人警察官の研修に用いられるシミュレーターを実際に体験し、講習を受けることができたのでその一部始終をご紹介したい。
※注意※
この講習の内容はアメリカではオープンにされているものである。しかし一部、日本の事情を鑑みてセンシティブな内容があったため、そうした部分については筆者の判断で伏せることとした。
講習はコロラド州の州都・デンバーのCentennial Gun Clubで行われた。バスケットボールコート2面半ほどの敷地にショップ、10レーンの屋内射撃場、そしてセミナールーム兼シミュレーターを備えている。
地域の警察官や射撃愛好家だけではなく、銃を必要とする一般市民すべてに物資と情報を提供する場となっている。また、周辺には警察官やSWATをターゲットにしたガンショップや装備品ショップが集中しており、このショップはCentennnial地域の中心となっているようだった。
Ti Training Corp社のシミュレーターはハードウェア的にはごく一般的なホームシアターレベルのもので構成されている。
音声は前方3ch、後方2chのスピーカーにサブウーファーのいわゆる5.1chサラウンド式、映像は液晶プロジェクターで投影している。
シミュレーター用プロジェクター。上にレーザー受光用のセンサーが乗っている。
シミュレーター用のガン。Next Level Training社のものが採用されていた。レーザーがでさえすれば他社のCO2でブローバック動作をするレーザーハンドガンや、カービンを使用することもできるようだ。
トリガーを半押しするとレーザーが発光を始め、引き切ると消灯する。レーザーの光点とトレーニングガンのアイアンサイトは一致しておらず、トレーニング前にシミュレーター上で補正を行う仕組み。
「射撃シミュレーター」という言葉から連想するのは、このようなターゲットシューティングであるが、これはシミュレーターのごくごく一面に過ぎない。シミュレーターの本分は「状況判断能力」の訓練にある。視覚だけでなく聴覚、においなど5感を使って周りの環境をうまく読み取りながら、射撃して良いのか悪いのか、撃つとすればどこか、法的に必要な手順や要件を満たしたか、その判断を的確にできるようにするのがこうしたシミュレーターを使った訓練の目的である。
具体的な講習手順を見てみよう。インストラクターは用意されたシナリオの中から1本を選び再生する。1本あたり長くて2分程度である。シナリオの内容は知らされず、すべて画面から読み取らなければならないので、背景音や登場人物のセリフなどに注意しなければならない。
このシナリオでは警察署が何者かに襲撃されていた。人数や侵入経路を知らされないまま署内を捜索する。負傷した警察官がいきなり物陰から出てくるので、撃たないように注意しなければならない。
物陰から飛び出してきた襲撃者を1人射殺したが、その直後、さらに飛び出してきた2人目の襲撃者から射撃を受けた。シミュレーター上の記録では、襲撃者のほうが先に射撃していたため、殉職という判定になった。
シミュレーターを使った訓練で最も大事なのはレビュ-である。なぜ撃ったのか、撃たれたのか、インストラクターとの意見交換を通じて判断のポイントを学んでいく。このケースではインストラクターは負傷者の一人が 「襲撃者は2人。あっちに行った」と言っていたと指摘した。しかし周囲の騒音がひどく、さらに物陰に気を取られていたためそれに気づくことができなかった。このように現実に起こりうるシチュエーションにおいて状況判断を迫られることで「何を、いつ、どのように考えればよいのか」を理解していく。
「射撃訓練装置」というよりは「インタラクティブな研修ビデオ」と考えることもできる。 こちらのシナリオでは同僚の警官が職務質問を行っているが、この立ち位置では何かあった際に被疑者を撃つことができない。映像を通じて、適切な行動を学ぶのである。
別の事例。故障車を装ったターゲットに近づいた同僚が撃たれたために応射した。弾痕は2発見えるが、1発はドアのフレームに当っており、もう1発はガラス越しにかすっただけのため有効弾となるかどうかは微妙である。こちらには遮るものが何もないため、致命傷を受けている可能性は高い。
明らかに危険が迫っていなければ「射撃してよいかどうか」そのものの判断も必要になる。例えばこのシナリオでは、自動車を止めて職務質問をしようとしたところ、女性が免許証を持って出てきた。一見怪しいところはない。
しかしここでドアのポケットにハンドガンが入っているのに瞬時に気づいた人は何人くらいいるだろうか。見逃していれば重大なことになるかもしれない(州法で自動車内での運搬は認められる場合もある)が、何に注意しておくべきか知っていれば、実際の現場でも有用である。
このケースでは、2人のトレーニーが同じ風景・同じ人間が登場するシナリオを実行した。この家の前に血まみれの住人数人がいたため突入したところ、この人物が角を右に曲がった先にある部屋に銃を向けて何事か叫んでいた。片や、この家の住民の一人で部屋の中の襲撃者に対し威嚇を行っていたのに対し、もう片方は押し入ってきた襲撃者であったが、この画像の通り見分けはつかない。「住民シナリオ」では「もうすぐ警察が来るぞ!あきらめろ!」と叫んでいたのだが襲撃者と誤認し、誤射することとなった。現実ならば大問題である。
また「決して勝てないシナリオがある」ということを知ることも重要であるという。例えば群衆のまっただ中で乱射事件が起きた場合などである。講堂で発砲音がしたために突入するというシナリオだが、逃げ惑う群衆にまぎれて狙えず、その間に壇上の男に銃撃された。多少の被害が出ても撃つべきか、あるいは撃たずにバックアップを待つべきなのか、レビューではいろいろなアイディアが出されたが、起こってしまった以上被害をゼロにはできないシナリオがあることを知っておくことで、逆に無駄な被害を出さないこともできるようになる。
シミュレーターを使うことで状況判断能力を磨くこと、少なくとも事例について知ることはできる。そのためには経験豊富なインストラクターの存在が重要である。彼はこのレンジ付きのインストラクターだが、元地元FBI支局のSWAT隊員であり、様々な事例を踏まえて講義してくれた。
こうしたシミュレーターは既に日本の警察にも導入されているが、日本の犯罪統計上、射撃シミュレーターそのものにコストを投じてもその費用対効果は決して高くはならない。日常の訓練の中には映像シミュレーターにしにくい内容のものも多い。しかし高度化する犯罪に対抗するには、訓練手法や内容もまた高度化しなければならない。限られたリソースでこれを行うためには、アメリカでのシミュレーターの普及度合いやその運用方法、これを含めたトレーニング体系の構築方法論は、大きなヒントになるのではないか。
C-Tours LLC | travel agency for "Tactical Professionals"
http://c-tours.net/Photo & report: dna_chaka
https://report.militaryblog.jp/e695484.html
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海外実銃レポート
Fri, 18 Sep 2015 20:49:39 +0900
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終戦 70 年特別コンテンツ、「アメリカ陸軍第100歩兵大隊」その2
前項では第100歩兵大隊の戦歴と日系アメリカ人について記述した。
今回は1944年6月初頭のイタリア戦線での第100歩兵大隊B中隊の活動の再現を紹介する。
これらの再現活動は、欧米でリエナクト(reenact)と呼ばれる物で、戦闘に参加した兵士達を称えると共に歴史研究と後世への伝達の手段の一つとして用いられる物で、リエナクトの一つとも言える。
戦争映画なども同様の目的を持って製作される場合もあるが、映画はエンターティメントであり、正確な再現よりもストーリー性が重視される傾向にある点、注意しなければならない。
リエナクトメントとは、当時の兵士達がどのような物を身に付け、生活や戦闘をしていたかを追求するものであり、現代における制約の中で可能な限りの再現性を求められるものであろう。
日本国内でも近年、発達途上の趣味として注目され始めたリエナクトであるが、多くはユニフォームや装備の再現までで、行動や生活の再現まで行っているのはまだまだ少ない。リエナクトメントは、単に軍服を着て遊ぼうと言う物ではなく、歴史的な事実を研究し、それらの動態保存を行おうという試みでもあると考える。
ここで紹介する写真は、ハワイにある実際の”100th Battalion veterans Club”第100歩兵大隊退役軍人会が認めている、日本人による日系アメリカ人部隊の再現活動である。
野営地の様子。
訓練キャンプや開けた後方の野営地では天幕は整然と並べる物(軍隊は終始整理整頓である)だが、前線にほど近い野営ではこのようにエリアを区切って、ランダムに展開される事もあった。
パップテント、とも呼ばれるシェルターハーフテントは通常2人1組で張り、2人で眠る。
WW2期のアメリカ陸軍の基本の野営であり、訓練から実戦まであらゆる状況下で使用された。
現代のテントと違い、地面に敷くシートは無い。兵士達はレインコートや枯れ草などを利用して少しでも快適に眠れるよう工夫をこらした。なお、再現するリエナクター達も実際に数日間、このテントで寝泊りしている。
大型のテントはM1934ピラミダルテント。
前線から離れた後方の野営地での宿営の場合、折り畳み式のベッドが用いられる。前線においては中隊などの本部天幕としても使用された。
中隊本部天幕
テーブルやチェストに書類、教範、タイプライター等が置かれ野戦における事務所であることがわかる。
軍隊もまた組織であり、書類仕事とは縁が切れない。
平時はもちろん実戦においても行動、作戦の事前、事後の本部は「紙の戦争」をしているものである。
写真では、手前のテーブルで補給係り下士官が物品リストを記入している。
通信卓には無線機が置かれ、BC-659無線機が大隊との通信を、またBC-1000無線機が小隊との通信を確保している。
さらに有線電話の交換機にも交換手が付き、野戦電話で構成された通信の管制を実施している。
本部における給料日の1シーン。先任下士官からイタリアの通貨、リラの軍票が手渡されている。
アメリカ軍の給与の基本はもちろんドルであるが、戦地においては事前に金額を申請しておいた分の軍票で受け取る事も多かった。
中型のテントはスモールウォールテント、と呼ばれる物で、将校用宿舎や医療用天幕として使用された。
ここでは中隊の弾薬管理天幕として使用されており、斥候に出る小銃小隊に弾薬が支給されている。
支給された弾薬をBAR(ブローニング自動小銃)の弾倉に装填しているシーン
WW2期のアメリカ陸軍では小銃、自動小銃、機関銃の弾薬は共通であったが、支給形態はそれぞれに合せた弾薬箱で行われるのが普通であった。
小銃弾はクリップの入ったバンダリアで、機関銃弾は布ベルトに装填された状態がポピュラーであったようだ。
補充兵の基礎訓練を実施中
基本動作は、新兵教育で実施するが部隊においても機会を見つけて行うものである。
また式典、閲兵、受閲などを行う場合は特にメンバーが選定されて訓練を行ったりもした。
基本の動作はまさに基本であり、実戦には役立たないと思われがちであるが、基礎をやらずに応用は不可能である。同時にこれらの基礎訓練が、部隊での戦闘行動にも影響するのである。
野戦電話の有線を構成する
無線に比し、秘匿性が高く、地形地物の影響を受けない有線電話はWW2期にも多用され、その構成は重要であった。電話線の多くは埋設されたり高架されて車両などに切られぬように敷設される。
野戦電話は1対1での使用の他、前述の電話交換機を用いて各所と本部がリアルタイムに情報のやりとりをする、重要なものであった。
本部天幕前で、座学(講義)が行われる
決して体だけを教育しようとしても戦える兵士には育たない。理論や図画を使用した講義を行い、まず頭から教育をするのである。これは再現であるだけでなく、リエナクターを教育するにも実際に有効である。
個人用の掩体”タコツボ”を構築する
防御は歩兵の基本の1つであり、部隊が停止したならばすぐに防御できる態勢を取るため、掘られる。
主陣地、前哨陣地、予備陣地と塹壕は掘り進められ、さらにそれらを交通壕で繋ぎ、陣地は補強も行う。 防御とは終わりの無い戦闘であり、続く限り穴掘りに兵士は追われる事となる。
掘られた塹壕に配置についた兵士
これらは簡易的な射撃用の壕であり、時間があれば更に深く、また複雑に掘り進められる事となる。
斥候の準備を行う兵士
偽装する手段は、官給品のドーランを使用する他、ポピュラーなものであった。
斥候(訓練)を行う兵士達
斥候は敵の配置、部隊規模、火器などを知る重要な手段で、これなくて歩兵部隊が行動することはありえない。
通常は少人数、軽装で敵勢力下に侵入するが、状況によって変わる。原則的に自分達斥候の存在を秘匿するため、携行する火器の使用は許可されない。
敵を倒す事ではなく、情報を時間内に持ち帰る事が重要である。
KP(KitchenPatrol)と呼ばれた糧食班の活動
歩兵中隊のKPはフィールドレンジと呼ばれる野戦調理機を使用し、糧食(レーション)を支給した。食事はカロリーや栄養素が日単位で定められており、兵士達の健康と士気を保つ義務が与えられていた。
配食が開始される。兵士達にとっては前線での少ない楽しみの一つである。
映画などでメニューに文句をつける兵士も散見されるが、その多くは後方勤務のエピソードであり、前線で戦闘を続ける兵士達にとっては携行レーション(缶詰やクラッカー程度)よりも遥かに魅力的な食事であり、温食支給と言うだけで喜んだという兵士も多い。
食事を摂る兵士達
KPが開設された野営地においては、通常メスホールと呼ばれる食堂も開設される。テーブルや屋根となる天幕があり、雨天でも食事がしやすく図られている。同時に宿営用の天幕付近での食事は衛生的に禁止されているが、行動前後で特例される場合もあった。
食後は食器の洗浄が義務付けられるが、大きなバケツを利用した洗い場もKPによって用意される。
洗浄ラインは5つのバケツで構成され、1つは食前の煮沸消毒用。
残り4つは残飯捨て用、洗浄用、すすぎ1、すすぎ2で構成され、専用のストーブによって沸かされたお湯とブラシによって簡単に、綺麗に洗浄できた。
前線から下がった後方においては部隊ごとにレクリエーションが企画され、兵士達の団結の強化や士気の維持、ストレス発散として行われた。
ここでは日系兵士達に人気であった野球に興じる兵士達を再現している。
用具などは中隊の補給が管理していたり、更に上級部隊から借り受けて使用するなどがあった。
野球用具のほかフットボール、バレーボールなどの各種球技、チェス、カードなどのゲームなどレクリエーション用の物品も多く使用されている。
以上、一部ではあるが日本国内で行われているリエナクトメントについて紹介をした。
今回、戦後70年を迎えるにあたってこのような特集を行った背景には、軍装品や銃などをただの遊びの道具としてだけでなく、実際に兵士達が生命をかけて戦った時の物である事実を忘れて欲しくない、という願いがあるからである。
所属していた国の隔てなく、彼ら兵士達はそれらを身に付けて何100kmも歩き、泥の中を這いずり回り極寒、酷暑の中、強烈と言って余りある過酷な環境で過ごしていた。
良くも悪くも彼らの国と故郷への献身の結果、現代の社会が存在するのが歴史事実である。
もちろん趣味としてサバイバルゲームや軍装品のコレクションを批判するのではない。
ただ、それらの中でこの夏、70年以上前に軍務についていた「普通の人々」の事に少し思いを馳せていただければ、と願うものである。
今回の投稿に関してハワイ・ホノルルにある「100th InfantryBattalion Veterans Club」(第100歩兵大隊退役軍人会)より、以下のメッセージを頂いている。
「あなた方が日本で我々の事を紹介してくれた事に感謝します。 これらの再現写真は実に正確で、興味深い。
日本とアメリカの友好がこれからも続く事を祈ります。ありがとう。」
参考文献
「Unlikely Liberators」 Masayo Duus
「二世部隊物語」 菊月俊之
「Remembrances 100th Infantry Battalion 50th Anniversary Celebration1942-1992」 Club100.
「American SamuraisWW2 in Europe.」 Pierre.Moulin
「BCo/100bn Reenactment Group」
Photo & Text: ReenactmentGroup BCo/100bn "先任"
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アメリカ陸軍第 100 歩兵大隊
Mon, 24 Aug 2015 12:16:05 +0900
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終戦 70 年特別コンテンツ、「アメリカ陸軍第 100 歩兵大隊」その1
第100歩兵大隊旗デザイン (左) / 第100歩兵大隊部隊章DIデザイン (右)
アメリカ陸軍第100歩兵大隊は、第2次世界大戦、戦前からハワイで徴兵され軍務についていた1432名の日系アメリカ人を中心に編成された独立大隊である。
ウィスコンシン州キャンプ・マッコイでの訓練を経て、ヨーロッパ戦線に投入。イタリア戦線及び南フランス戦線でドイツ軍を相手に果敢な戦闘を繰り返し、アメリカ陸軍史上、他に類を見ない功績を残した。
第二次世界大戦中の従軍者3147名、戦死者338名、負傷者は延べ9148名であり、その数字からも戦いぶりが見て取れるだろう。
第100歩兵大隊の欧州戦線における叙勲
大統領部隊感状 3
議会名誉勲章 1
殊勲十字章 24
銀星章 147
銅星章 3111
殊勲章 9
軍人勲章 8
紫心章 1703
師団表彰 30
フランス戦時勲章2
イタリア戦時勲章5今回、第二次世界大戦の終戦から70年を迎えるにあたって、この第100歩兵大隊を取り上げたのはハワイ日系アメリカ人が日本の歴史においても重要な位置付けを持っているからである。
第二次世界大戦の中でも重要な部分である日米の太平洋戦線は言うまでもなく日本海軍によるハワイ攻撃から始まった(厳密には陸軍のコタバル上陸作戦が先に行われている)
ハワイに生活の根を下ろしていた日系アメリカ人にとっては、自らもしくは親の祖国からの攻撃であった。当時兵役についていた日系人(多くは二世)達は戸惑いながらもその軍務を果たし戦闘に参加している。
しかし、戦闘後は日本人に対する敵愾心や恐怖心から軍隊で、職場で、また街中においても差別を受け、不遇な立場に立たされている。
そんな中でハワイ国土防衛軍に所属していた日系兵士達は、アメリカ陸軍の軍人として命令に忠実に従い、新たに結成された第100歩兵大隊として欧州戦線に従軍し、前述の戦功を上げたのである。
また第100歩兵大隊とは別に第442連隊戦闘団に志願して参加し、第100歩兵大隊と共に欧州戦線で戦った者や、MIS(陸軍情報部)に所属し、通訳として対日戦を戦った者も多く居た。
彼らはもちろんアメリカ陸軍の兵士であり、戦時中は日本の敵であった。
しかし同時に日本の行く末を憂い、日本人を心配し、玉砕しようとする日本軍を身の危険を顧みず説得して降伏に導いたり、日本軍捕虜の為に尽力する者も多く居たのである。
更に終戦後は欧州戦線より帰還した第100歩兵大隊、第442連隊の兵士達からも、MISまたは通訳軍属として日本に進駐し、戦後の日本とアメリカの関係に尽くした者も居た。
またハワイからは、戦後すぐの物資に困窮する日本の現状を知って緊急援助物資が送られ、同時に日本の復興のための基金なども設立された。「最初に攻撃されたハワイで」である。
これらの事は多く日本で知られておらず、ハワイ=観光地と言うイメージしか持たない日本人も多く居る事と思う。
ハワイと日系アメリカ人について、日本人の多くに知って欲しいという願いから、今回はその代表格である第100歩兵大隊を現代の日本人リエナクター(再現者)による再現写真を交えて紹介する。
■前史
ハワイにおける日系アメリカ人の歴史は古く、最初の移民(元年者と呼ばれる)は1860年である。その後、日本政府が斡旋した官約移民、更に民間会社が行った私約移民を経て1924年の移民法によって日本人のハワイ移民が不可能となるまでに約22万人が移民した。
彼ら移民の一世は基本的に日本人であったが、その子供たち二世はアメリカで生まれたアメリカ人として人生を歩むこととなる。
多くの日系アメリカ人二世達が成人する1940年。ハワイでは1543名の日系人が徴兵によってアメリカ陸軍に入隊し、ハワイ国土防衛軍の第298及び第299歩兵連隊に所属していた。そして運命の真珠湾攻撃による日米開戦を迎えることとなる。
ハワイ、スコフィールドバラックスで訓練中の日系兵士
真珠湾攻撃の後、当初は国土防衛軍の軍務として海岸線の警戒などにあたっていた第298、299歩兵連隊の日系兵達であったが、ミッドウェー海戦が近づいた1942年5月、日本軍の上陸が予想された事から軍務から外され銃を取り上げられて待機させられる事となる。
6月には両連隊の日系兵を中心に白人の将校等を含む1432名でハワイ臨時歩兵大隊が編成、アメリカ本土へと移動する事になる。
ハワイで海岸線の警戒にあたる日系兵士
■第100歩兵大隊結成
オークランドに上陸したハワイ臨時歩兵大隊は陸軍第100歩兵大隊と名を変え、列車にてウィスコンシン州のキャンプ・マッコイへと移動する。
通常の歩兵大隊は親部隊となる歩兵連隊の下に第1、第2、第3大隊と編成されるが第100歩兵大隊には親部隊もなければその部隊番号も特殊なものであった点、アメリカ陸軍もその扱いに苦慮していたのが見て取れる。
キャンプマッコイでは既にハワイで終えていた基礎訓練を再度やり直し、訓練成績で他の白人部隊を遥かに上回る成績を修めていた第100歩兵大隊は1943年4月ルイジアナで行われた大演習に参加し、戦闘可能な部隊としてその実力を上層部に認められる。
キャンプマッコイにて訓練中の第100歩兵大隊兵士
そして1943年8月、ブルックリンより輸送船に乗船しヨーロッパ戦線へと旅立っていった。
■出征、初陣
1943年9月に北アフリカのオランに上陸、当初鉄道警備等にあたる予定であったが、大隊長ファーレント・ターナー中佐が戦闘任務を強く希望し、その噂は司令部でも話題になったと言う。
噂を聞きつけた第34歩兵師団長チャールズ・ライダー少将が「面白いじゃないか」と、興味を持ち、隷下の第133歩兵連隊の第2大隊として第100歩兵大隊を加えた。
第34師団所属となった第100歩兵大隊は9月22日に南部イタリアのサレルノに上陸。
9月28日にはサン・アンジェロ近郊で初の戦闘を経験し、第1号となる戦死者も出たが、大隊はドイツ軍の防衛線を突破して初陣を勝利で飾った。
左:中隊本部での日系兵と白人将校。
右:電話線を敷設し、有線電話を使用した通信を構築する第100歩兵大隊兵士
10月10日に第34師団よりヘルメットに部隊章をペイントするよう命令が下りる。
師団の1員(ひいてはアメリカ軍兵士として)に認められた証であるこの措置は、多くの兵士を喜ばせた。
左:無線機を使用し、迫撃砲の弾着を観測する第100歩兵大隊兵士
右:前線での劣悪な環境下で携帯糧食「K-レーション」で食事を摂る兵士
以後、年が明けた1944年1月10日に至るまで第100歩兵大隊は常に先鋒を務め、2度も大隊長が交替するという激戦で100名を超える戦死者を出しながらも高地群のドイツ軍を次々と突破し、イタリア戦線最大の難所と呼ばれたモンテカッシーノに迫るのである。
左:歩哨壕にて警戒中の兵士。
右:廃墟のドイツ軍を掃討中の兵士。
左:極寒の中、野営する兵士
右:缶詰のCレーションを食べながら警戒中の兵士。
1944年1月23日~2月15日の間で行われたモンテカッシーノの戦いは、第100歩兵大隊にとってもっとも辛い戦場であった。
小高い丘から見下ろされる平野部には身を守る障害物、木々も一切無く、上流を破壊されたラピト川の水が氾濫して当たりを一面の泥濘に変えていた。
第100歩兵大隊は、凍えるような吹雪の中で昼間は死体のふりをして転がり、夜間に泥まみれになりながら前進するを繰り返し、他の連合軍がそれまでたどり着けなかった対岸まで渡りきった。
しかし、他の友軍が追従できず、孤立しついには撤退を余儀なくされる。
モンテカッシーノの戦いは彼らが敗退した唯一の大きな戦闘であり、その負傷者の多さから「パープルハート・バタリオン(戦傷章大隊)」の異名でも呼ばれたと言う。
吹雪の中、高地を攻撃前進中の第100歩兵大隊
1944年2月~3月の間で補充兵を加え再編成を行った第100歩兵大隊は3月24日にアンツィオへ上陸、以後6月に至るまでアンツィオ橋頭堡での戦闘に従事する。
前線へフードコンテナを使用して糧食を届ける兵士。
1944年6月3日、第100歩兵大隊長ゴードン・シングルス中佐は、第100歩兵大隊に5つの重火器部隊を加えた「シングルス任務部隊」の指揮官となる。
ドイツ軍装甲師団の守る高地を瞬く間に陥落させ、更にハイウェイを前進。その進撃速度はあまりに速く、ついには師団司令部との連絡も取れなくなる始末だった。
前進中の第100歩兵大隊兵士
6月5日にローマまで10kmに迫った第100歩兵大隊は、すべての連合軍部隊の先頭に立っていた。しかし、彼らに他の部隊の通過を待つ命令が下され、日系人部隊によるローマ一番乗りは無くなった。
第100歩兵大隊の1人が言うには「機甲師団長がローマへの先導をするためだった」
(※実際にローマに一番乗りで入城したのは第1特殊部隊とその指揮官、ロバート・フレデリック大佐であり、彼らは第100歩兵大隊よりも早くからイタリアで戦っており、その戦歴も第100歩兵大隊に負けず劣らずだった。また、当時のB中隊長だったサカエ・タカハシ氏は「通常の措置であり、人種差別ではなかった」と証言している)
ローマに入れなかった第100歩兵大隊の目的地はローマ北西の町外れであり、夜の10時30分に到着する。
その後更に40マイルの移動の後、第100歩兵大隊はチビタベッキアの北に到着、ようやく休息を取った。
左:支援中の60mm迫撃砲班
右:斥候を終えて野営地へ帰還する分隊。
■1944年6月11日
新たにハワイと本土からの日系アメリカ人志願兵で編成された第442連隊戦闘団に編入、その第1大隊となるが、名称は第100歩兵大隊のままとされる。
この措置は異例の事であり、それだけ第100歩兵大隊の勇名がアメリカ陸軍全体に轟いていた事の証明であろう。
以後、第100歩兵大隊は第442連隊戦闘団の中核として終戦までヨーロッパ戦線で戦い続け、更なる多くの武勲に輝く事となる。
左:チビタベッキア近郊で集結中の第100歩兵大隊
右:集結地にて閲兵を受ける第100歩兵大隊
Photo & Text: ReenactmentGroup BCo/100bn "先任"
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アメリカ陸軍第 100 歩兵大隊
Thu, 20 Aug 2015 19:03:07 +0900
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ESS 最新製品「曇り知らず」の AVS Influx ゴーグルを防曇テストしてみた&レビュー
夏真っ盛り!サバゲシーズンど真ん中である!暑さに負けることなく日本各地でゲームやイベントなど盛況な様子。しかし、こんな季節だからこそ身をもって味わう“ゴーグルレンズの曇り”…発汗や湿気で視界不良…ホント嫌だよねー((>д<))
サバゲに限らず、ゴーグル愛用者には悩ましいこの問題を解決しようと、デュアルレンズタイプから電動ファン付きのモノまで各社から趣向を凝らした製品がリリースされてきた。
電動ファンで換気を行うシステムが最も効果的とされているが、バッテリーの持ち時間や重量、故障の可能性などを考慮するとマイナス面が無いわけではない。実際のところ軍での利用においては、この辺りのことがネックになることも多い。また、発汗には個人差があったりとその効果の程は様々・・・、実に悩ましい問題が付き纏う。
電動ファン付きモデルの登場以降、目立ったブレイクスルーは無かったが、遂に新製品がリリースされた。
それが、ミリブロNews「特許取得 AVS 換気システムで曇り知らず、米軍納入 No.1 軍用アイウェア ESS から最新ゴーグルが日本上陸」で取り上げた『 ESS Influx GOGGLE 』である。発売から間もない製品をお借りすることが出来たので、早速レビューをお届けする。
ESS 日本代理店公式ページ
http://esseyepro.jp/詳しい仕様については、ミリブロNewsをご覧いただくとして、まずは外観から。
正面アップ。適度な柔軟性を持ちつつ、非常にしっかりとした作りのフレーム。
上部画像。抗菌作用のある“ OpFoam フェイスパッド ”でフィット感は申し分ない。
広範な視界を持つ薄型のフレームは、ナイトビジョンとの併用が可能。
ベルトのジョイント部を時計回りに90度回転させると、本体から簡単に取り外すことが出来る。
裏側から見ると、このような構造になっている。
ベルトを外した状態。スモークグレーレンズも付属している。
レンズは従来品より少し厚めの 3.0mm 耐衝撃ポリカーボネートレンズ。
歪みのない視界と、UVA/UVB を100%カットする。
ESS PROFILE TURBOFAN GOGGLE との比較。
ESS Influx GOGGLE の方がひとまわり大きいことが分かる。
特許取得済の換気システム:AVS ( Adjustable Ventilation System ) の開放時 / Anti-Fog Mode(防曇)と、閉鎖時 / Anti-Dust Mode(防塵)の外観上の違いはこんな感じ。レンズ下部(底辺)を支点にしてレンズ上部が数ミリ可動することで、換気用の隙間が出来る。
開放時 / Anti-Fog Mode(防曇)
閉鎖時 / Anti-Dust Mode(防塵)
開放時 / Anti-Fog Mode(防曇)
閉鎖時 / Anti-Dust Mode(防塵)
開放時 / Anti-Fog Mode(防曇)
閉鎖時 / Anti-Dust Mode(防塵)
開放と閉鎖の操作は、ゴーグル正面の眉間部分にある Roto Clip(画像:ESS ロゴ部分のユニット)を使って行う。
まずは開放操作から。
閉鎖状態
Roto Clip 上部の突起部分を上方へ押し上げる
開放状態
次に、閉鎖操作
Roto Clip の ESS ロゴ部分を押し込む
閉鎖状態
開放、閉鎖、共にワンタッチで行える。
さて、本製品の目玉となる換気システム:AVS であるが、オフィシャルのアナウンスによると「 他に例を見ない換気による防曇機能と全周囲における粉塵フィルター機能を装備。究極に曇り難い ESS 独自の特殊防曇コーティングが施された Advanced ESS ClearZone FlowCoat Lens を採用することにより、内側の曇りを除去し、外側の傷を防ぐ。」とある。
では、その防曇機能の実力の程は如何に? ということで筆者が製作した“ゴーグル曇りシミュレーター”を投入して、検証実験を行ってみた。
ゴーグル曇りシミュレーター。プラスチック製円柱容器の側面をレンズ型に切り抜き、50℃の蒸しタオルを円柱内部に配置し、切り抜いた空間を覆う形でゴーグルを装着して容器の蓋をする、というシンプルな構造である。
まずは手始めに ESS PROFILE TURBOFAN GOGGLE から実験開始。
ファン機能OFF状態でゴーグルを装着。瞬く間に曇り始め、2分ほどでこの状態。
この後、ファン機能ONにすると下方から徐々に曇りは消えていった。
容器の側面の様子。曇り具合と下へ流れる雫が確認できる。
さて、本命の ESS Influx GOGGLE を AVS を開放状態の Anti-Fog Mode(防曇)にして実験開始。
10分放置した状態。遠目で見ると変化が確認できない。
拡大してみると埃の周りに結露は出来ているが、曇りは生じていない!
この後も暫く放置してみたが、目立った変化は確認できなかった。
では、AVSを閉鎖状態の Anti-Dust Mode(防塵)ならどうなるか?
レンズに付着していた水分を拭き取り、ゴーグル乾燥後に実験開始。
10分放置。
15分放置。曇らない!
拡大してみると、先ほどの Anti-Fog Mode(防曇)と同じ状態ではないか!
ゴーグルレンズ部にピントを合わせた裏側からの様子。
拡大してみると、レンズ下部に向かって雫が流れ落ちているが、曇りは無い。
また、雫によって水分膜が出来ていたが、視界を妨げるほどでは無かった。
防曇機能に対して半信半疑で臨んだ実験であったが、まさかこれ程とは!恐れ入りましたm( _ _ )m
換気システム:AVS も然ることながら、Advanced ESS ClearZone FlowCoat Lens の特殊コーティング処理が素晴らしいと言える。
そして、AVS を Anti-Fog Mode(防曇)にセットした状態でゲームフィールドを駆け回れば、外気がゴーグル内を循環し、より効果的に機能するのではないだろうか。
今回の実験では15分という短い時間であった為、長時間の使用については未知数である。ゲームで使用する場合は、セーフティゾーンなどの安全な場所で、ゴーグル内部の結露を拭くなどのケアが必要と思われる。
今回の結果は、簡易的な実験によるものであり、参考程度に思っていただきたい。
ESS 日本代理店公式ページ
http://esseyepro.jp/
Photo & Text: 弓削島一樹
https://report.militaryblog.jp/e684134.html
https://report.militaryblog.jp/e684134.html
新製品レポート
Thu, 06 Aug 2015 20:34:50 +0900
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KSC MASADA レビュー&ステッピング
アーマーライト社がARライフルを開発してから50年の年月が過ぎた。
その間、製造環境が大きく変わり、銃器は耐用に優れた樹脂が多く使われ、より軽量化と製造コスト、生産性が飛躍的に向上している。
その歴史の中、2007年の発表当時のMAGPUL MASADA Adaptive Combat Weapon Systemは非常に多くの話題を呼んだ。
4ヶ月という開発期間で試作が完成され、アルミやポリマー樹脂を多用しフォールディングストックやアンビセフティ&アンビボルトリリースなどが当初から備わるユニークなライフルはブッシュマスター社、レミントン社と契約を締結し民間・軍事用での展開が図られた。
そして鳴り物入りでエアソフト版MASADAが電動ガン化され、多くのセールスを生み出したことが記憶にも新しい。海外製ガスブローバックの変換キットも発売されたが、今年の夏にKSC社から完全新規にMASADAが発売された。
AR系ではKSC MEGA ARMSライフルも非常に良い完成度を提供している。
同じPTSブランドであるKSC MASADAは国内銃刀法に準拠した日本独自の改良が施され、両者のライフルを並べてみると共通点を持ちながら、軽量なアサルトライフルのエアソフトガンとしては再現度も満足度も高い製品になりそうだ。権利上、他社メーカーからの発売は無いと思うので作動が快調なこの時期に購入しておくと良さそうである。
アッパーレシーバーはアルミ製、その他は多くに樹脂が使用され、作動やストレスがかかる部分は焼結金属で組み合わされ、安心して遊べるものとなっている。内部のブローバックエンジンはKSC SYSTEM 7 TWOでブローバックは快調そのものだ。
MASADAはAR系ボルトキャリアと形状が違い、よりコンパクトでリコイルスプリングもダウンサイズされており、ローラーベアリングの効果でボルトキャリアの作動はとてもスムーズ。
銃身部分もハンドガードを外してレバー1本で分解できる。ARのあの面倒なバレルナットが無いのでストレスを感じない。
樹脂を多様したロアレシーバーアッセンブリーは驚くほど軽く、ストックを折りたたむと、これがライフルなのかと疑う程に小さくまとまっている。
ストックはその他、伸縮調整とチークレストは上下に調整可能で誰にでもフィットする。
前述の通りマグキャッチとボルトリリース、セフティの全てがアンビ仕様となっており、グリップも一体なので交換する部分が無い。ARのようにカスタマイズ前提からみると物足りない感覚はある。ワンタッチのフロント・リアサイトも気が利いていて面白い。
メンテンナンス性に優れ、格好良く、好印象なMASADAだが、悪い点を挙げればマガジンが少し重い。
アンビセフティーもタイトフィットであるが、これはシリコンオイルを吹いて慣らし動作をすれば問題なし。
将来的にはレイルやショートバレル、タイプ違いのストックなども期待される。色違いバージョンなども用意されるかもしれない。
MAGPULファンは必ず手に入れたい1挺だと思う。
余談だが、このMASADAの表面テクスチャーは滑り止めとして当初は悪くない。しかし、樹脂系全般に言えるが、手のシワなどでやがて光沢が発生する。グリップ部分はテクスチャーがもう少し荒いと手の力負担も楽になる。(特に固めのセフティ切り替えで)
ハンドガード底部とグリップのステッピング加工を施した写真を用意しておいた。ユーザーの参考になれば幸いである。
Photo & Text: Ocean
https://report.militaryblog.jp/e684117.html
https://report.militaryblog.jp/e684117.html
新製品レポート,トイガン紹介
Thu, 06 Aug 2015 19:36:32 +0900
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Oakley 最新レンズ「Prizm Trail (プリズム・トレイル) 」レビュー
OAKLEY (オークリー)が15年掛けて開発した新型レンズ『 PRIZM 』シリーズのサングラス用「 TRAIL 」の交換レンズを入手したので、同社既存レンズ「 G30 Iridium 」との比較テストを行ってみた。PRIZM レンズについては、以前のミリブロNewsで紹介動画が公開された旨を取り上げている。
( http://news.militaryblog.jp/e616022.html )
※フィールドによってはサングラスタイプのアイウェアが禁止となっている場合がありますのでご注意ください。
※本稿では被弾時の耐久性を保障するものではありません。ゲームでの利用は自己責任でお願いします。
暖色系レンズではあるが、PRIZM TRAIL はオレンジ系、G30 Iridium はブラウン系である。
OAKLEY RADAR PATH 用交換レンズの製品パッケージはこの様なデザイン。
製品シルエット。後方は RADAR PATH 用「 H.I.Yellow 」。
PRIZM レンズは、一般的なサングラス(色付きメガネ)と比較すると、よりクリアな視界が得られることを謳っており、眼球の機能分析や分光計を用いたフィールドテストを繰り返し行い、その結果から得たデータを基にレンズ素材から徹底的に研究し、開発期間に15年費やした製品となる。今回使用した「 OAKLEY RADAR PATH 」用の他に、「 RACING JACKET 」「 FLAK JACKET 」「 RADARLOCK 」「 HALF JACKET 2.0 」「 JAWBREAKER」など各フレームに応じた形状の異なるタイプがリリースされている。
サングラス用 PRIZM レンズには、「 DAILY 」「 ROAD 」「 TRAIL 」「 BASEBALL OUTFIELD 」「 GOLF 」「 WATER 」の6種類がランアップされており、使用環境に応じた特性の異なる仕様となっている。
※下記文章はオフィシャルサイトから引用※
●DAILY / 空の青はより明るく木々の緑はよりはっきりと、赤は深みが増し、温かみのあるリラックスした視界を提供する
●ROAD / 路面の窪みや石などの障害物が見つけやすくなることで、より安全に。ランニング/ロードバイク走行時におすすめ
●TRAIL / 道の状態や木々の枝葉など障害物を視認しやすくなるため、登山/トレイルラン/MTBにおすすめ
●BASEBALL OUTFIELD / 空高く飛んでくるフライボールやそのステッチが、より遠くからはっきりと視認することが可能に
●GOLF / コースの起伏や奥行き・芝の状態を視認しやすくなり、より的確に狙いを定めることが可能に
●WATER(H2O)/ フィッシング用 POLARIZED(偏光)レンズ
PRIZM のレンズテクノロジーは、各スポーツのフィールドにおいて,眼が最も敏感に感知するべき波長の光を強調することで、ディティールの認識力を高め、そのスポーツで必要な視認性を大きく改善、安全性を高め、かつパフォーマンスを向上させます。(オフィシャルサイトより)
今回は、この6種類の中から野外でのサバゲ環境に適していると思われる「 TRAIL 」をチョイス。
外側表面にはブルーミラーコーティングが施されている。
裏側から見ると、外から内に向かってややグラデーションが掛かっているのが分かる。
レンズのエッジ部分には PRIZM のロゴがレーザープリントされている。
レンズセンター部分には薄っすらと OAKLEY ロゴがある。
比較テストは、晴れの日中に OAKLEY PRIZM TRAIL と、同じく暖色系で標準的なレンズの OAKLEY G30 Iridium を、三脚に固定したデジタルカメラのレンズ前方にかざす形で撮影を行った。デジタルカメラの設定は、ホワイトバランス:5300k / 露出補正:プラスマイナス0 / 絞り値:F8 で固定。パソコンなどでの色調補正は行っていない。
尚、パソコンやスマートフォンなどのモニタはメーカーや設定によって色の再現性が異なることや、カメラの画像センサーと肉眼との差もある為、この結果は参考程度に思っていただきたい。撮影ポイントは、色調や明暗差の分かり易い風景と、サバゲフィールドを意識して山道を選んでみた。
青空と広葉樹
砂地の影・その1(暗部面積多め)
砂地の影・その2(明部面積多め)
山の木々
影に隠れたラクダオブジェ
色褪せたカラフル模様のベンチ
山道・その1
山道・その2
山道・その3
写真ではこのような結果となったが、読者の方々はどのように感じただろうか?
トーンが均一化されることで、暗部のディテールがややはっきりする印象を受ける。また、対象物によっては輪郭が増しているのではないだろうか?
個人的な所感はこれぐらいに留め、あとは読者の方々の感覚にお任せする。
ショップで試着することは出来ても、店外まで借用できる機会は少ないだろうから、今回のテスト画像がひとつの目安になればと思う。
「気になるアイテムだけど、実際のところはどうなの?」という製品を、不定期ながら今後も取り上げて行く予定。
オークリー史上最高峰レンズ登場
~すべてのアスリートが絶賛する視認性~
http://japan.oakley.com/prizm/sun/
Photo & Text: 弓削島一樹
https://report.militaryblog.jp/e683256.html
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新製品レポート
Mon, 03 Aug 2015 14:24:14 +0900
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横須賀フレンドシップデー 2015 が開催
横須賀米軍基地開放「横須賀フレンドシップデー 2015」が 8 月 1 日 (土) におこなわれたので、今回はその模様をお届けしたいと思います!
入場は、三笠公園から。「皇国の興廃この一戦にあり」。東郷平八郎閣下が出迎えてくれます。
ゲートをくぐると、軍用犬と女性兵士がいました。
一面が塗り絵になっています。
木陰で休む海軍兵士の皆さん。
入場直後から生演奏が行われていました。
暑いのでちびっ子プールが開設されていました。
プール係の海軍の方々。タトゥーは文化なのか?
標識がすべて英語。ここは日本の中の外国。
混まないうちに目的の艦船見学へ。
今回艦内見学ができるミサイル駆逐艦マスティンが見えてきました。
マスティンの後方には、海自の特殊工作船「えんしゅう」と「はつしま」がありました。こちらも見学可能。
近づくほどデカイ。
六角形のイージスシステムが迫力がある。
まずは海自の「えんしゅう」と「はつしま」を見学。
爆発物処理ダイバーの装備が展示されていました。
「はつしま」の20mm機関砲
機雷掃海挺
アーレイ・バーク級「カーティス・ウィルバー」も停泊。
甲板上で警備する兵士が持っているライフルはM16A2
ついに乗船。熱中症予防のためか、クーラーがすごい。艦内からものすごい冷気が流れてくる。
魚雷発射管。デカイ。
装備しているのは、M9(ベレッタ92F) 「抜いて見せてくれ」とお願いしてみたが、NGだった。
艦内は整然としている。
垂直発射管。意外に小さい。奥の速射砲には「Lucky Lucy」とある。
速射砲
マスティンを後にする。
水兵の方々。けっこう日本語が話せる。
「マスティンシスターズ」。白い制服が涼やか。
ここからグルメコーナー
暑いので飲み物は飛ぶように売れていた。
とりあえずビールから。
大ボリュームのスペアリブ
「元祖海軍バーガー」。マヨネーズやマスタードは好み応じて付ける。
タコスと揚げパン?揚げパンは甘過ぎ・・・。
ピザも販売。もちろんアメリカサイズ。
MONSTER各種。アメリカ仕様なので、これも激甘・・・。
あちこちの売店で売っていたが、なぜか200-600円と幅がある。
敷地が広大なので、レジャーシートを敷いてゆっくりできる。
お土産も充実。
海軍グッズが多い。
基地の皆さんは、とてもフレンドリー。
フラダンスの実演もありました。
Photo & Text: 友清仁
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自衛隊・米軍装備展示
Mon, 03 Aug 2015 13:49:40 +0900
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世界最小の航空母艦、タイ王国海軍の空母「チャクリ・ナルエベト」
タイ王国。人口6,718万人の東南アジアの立憲君主制国家である。
観光産業が盛んで、特別市であるパッタヤー(パタヤビーチ)は高級リゾート地として海外からの観光客が数多く訪れる。
このパッタヤーからスクムウィット通りを南下し、突き当たった先に港がある。観光ガイドには載らない静かな港だ。周辺に軍事施設が立ち並ぶ軍港である。ここに、タイ王国海軍唯一の空母「チャクリ・ナルエベト」が停泊している。
"HTMS Chakri Naruebet, CVH- 911"「チャクリ・ナルエベト」
タイ海軍が保有する唯一の空母であり、世界最小の空母でもある。艦名は現タイ王室名のチャクリー王朝に由来する。この艦を得たことで、タイは東南アジアで唯一、小型空母を保有する国となった。
スペインのバサン造船所で建造されたスペイン海軍空母の縮小改良型である。公式艦種は「外洋哨戒ヘリコプター母艦」であり、救難活動やEEZ内の監視任務を主としている為、航空兵力の拠点としての任務を基本的には想定していない。
艦首部に傾斜角12度のスキージャンプ甲板を装備。艦載機はスペインから購入した中古のAV-8Sマタドール6機及びS-70B-7ヘリコプター6機。AV-8Sマタドールは、ホーカー・シドレー・ハリアーのスペイン海軍仕様だ。ホーカー・シドレー社内の名称はハリアーMk.55。11機が生産された。しかし運用予算の不足により、6機全てが保管状態にある。
建造から就役まではこぎつけたものの、不況により同軍は慢性的な予算不足にある。そのため装備は就航以来不十分なままという。AV-8S不在ゆえのヘリ空母となっているが、撮影時はヘリの姿も無かった。
艦は非常に静かで兵士や技術者の姿も殆ど見かけない。しかし清掃は行き届き、美しく保たれていた。
20mm単装機銃。2基設置。この他、12.7mm単装機銃を2基備える。
機銃以外の兵装としては、SADRAL6連装ミサイル発射機を3基搭載。
爆発物を海中に遺棄する際、使用するダストシュート。
予算と人員の不足から、現在はほとんど機能していないという「チャクリ・ナルエベト」。
しかし、災害発生時にはその本来の性能を発揮する。2004年のスマトラ沖地震では、被災地の救援活動を行った。サムイ島に救援に向かった際は、島民と観光客を救出し本土まで輸送するという活躍を見せた
という。
HTMS Chakri Naruebet, CVH- 911「チャクリ・ナルエベト」
進水1996年1月20日
艦種航空母艦(軽空母)
排水量 基準:10,000トン、満載:11,486トン
全長182.65 m
全幅30.50 m
MTU 16V1163 83TBディーゼルエンジン (5,600 bhp) 2基
LM2500 ガスタービンエンジン (22,125 shp)2基
速力27knot(最大)12knot(燃費航行時)
乗員個艦要員: 士官62名 下士官兵393名 航空要員: 146名 陸戦部隊: 675名
Text by Acorn
https://report.militaryblog.jp/e677218.html
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艦艇紹介
Mon, 13 Jul 2015 18:00:48 +0900
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この夏のゲームで活躍間違い無し!! S-THUNDER ピストルグレネードランチャー
こんにちは。
愉快全快エアガン日記の全快娘がお送りするエアガンレビュー!
と言っても 1 日ゲームに参加して 1 キルとれたら万々歳なドヘタゲーマーの自分が普通のエアガンをレビューしても何の参考にもなりそうにないので・・・ちょっと変わったエアガンをレビュー!
DRESS&GUN さんで絶賛発売中の S-THUNDER 製ピストルグレネードランチャーシリーズ‼ レール付タイプ、ショートバレル、ロングバレルの 3 モデルがラインナップされています。
上:【S-THUNDER】AGL-SB01 ピストルグレネードランチャー≪ショートバレル≫
左下:【S-THUNDER】AGL-SB11 ピストルグレネードランチャー≪ロングバレル≫
右下:【S-THUNDER】AGL-SB02 アルミバレルピストルグレネードランチャー ≪レール付タイプ≫
(左:レール付きタイプ 中:ショートバレル 右:ロングバレル)
40 秒で支度しないといけない海賊一家のメインウェポンにそっくりなイカスフォルム‼ サイズはショートバレルで M9 やガバメントなどの中型オート程度、ロングバレルでもデザートイーグルとほぼ同じ全長なので、ゲーム中の携行に困ることはなさそうです。
操作系は超シンプル。左側面にある 2 つのスライドスイッチとトリガーのみ。トリガーの上にあるのはバレルをテイクダウンするスイッチで、装弾/排莢時に使用します。本体後部のスイッチはセイフティー。
3 つのモデルの中で、レール付きタイプのみバレルがアルミ製。バレル開閉時の「チャキッ」という音が気分を盛り上げます
しっかり狙う武器ではないので、レールに何を載せるのかはちょっと迷うところ。
とりあえず見た目的には漢のロマン度 120%アップ! まあロマンのみだとアレなので、例えば「Strike Industries」などから出ている斜めのレールアダプターを取り付け、そこにサイトを付ければ仰角サイトとして実用的に使えそうです。
サブウェポンとして携行する場合は、ナイロン製のホルスターやマガジンポーチを使用するのがちょうどいいかも。
ショートバレルならプレートキャリアのマガジンポーチにぴったり。ここぞという時に、すかさずぶっ放せます。
さてその威力はいかに!? いよいよ実射していきます!
仕様弾薬はモスカート互換の 40mm グレネード。グレネードは弾込めしてからガスを入れると安全に装填できます。
バレルを中折れさせてグレネードを滑り込ませる瞬間がめちゃくちゃときめきます。装弾数 1 発は漢のロマン!
いざ実射!
その大砲で私と勝負するかね?
ドフッ!!
思わずフハハと笑いたくなる最高の撃ち応え!! 結構なリコイルと共に吹き出る白煙と大量の BB 弾。手のひらサイズのウェポンとのギャップはくせになりそうです。
撃ち味だけでなく、交戦距離が 10m を切るような CQB では最強の武器ですし、きっちり曲射で狙えば建物の 2 階や固いバリケードを一網打尽にできるかも!?
グレネードのカートリッジは各社から様々なタイプが発売されていますので、装弾数や射程に合わせて複数使いこなすのもいいかもしれません。
使い方によってはロマン武器にとどまらない心強い相棒になってくれそうです。
夏本番に大活躍間違いなしの一撃必殺ピストル‼
漢なら一生に一度は大鑑巨砲主義っすよ!
見ていただきありがとうございます。
この投稿はご覧のスポンサーの提供でお届け致しました。
トイガン&ミリタリーグッズ「Dress & Gun」
http://dress1105.shop-pro.jp/
https://report.militaryblog.jp/e674441.html
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トイガン紹介
Fri, 03 Jul 2015 19:10:21 +0900
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国際軍事見本市「MAST Asia 2015」その2
GENERAL ATOMICS 社
カルフォルニア州サンディエゴに本社を置く大手軍需産業企業だ。1955年に原子力技術開発を目的として設立された。核燃料サイクルの遠隔監視、操作技術は無人偵察機や空中センサ、無線技術、レーザー、電気、電子技術に応用される事となる。
8MW 15,000rpm Permanent Magnet/Direct Drive Motor/Generator
2/5スケールの模型展示。
その名の通り、永久磁石を使用した高出力のドライブモーターである。電気、電磁関連の技術は同社の得意とするジャンルであり主力商品となっている。
Guardian 無人偵察機 (Maritime Predator B Variant)
映画等にも度々登場し、一般知名度の高い無人偵察機Predator(プレデター)を大型化し、長い航続距離、高い監視力と兵装を持たせたプレデターBは、米空軍用MQ-9 リーパー等、現場のニーズに合わせた様々なバリエーションが存在する。このガーディアンは、海事運用を目的とした仕様だ。同社は、multi-mission maritime patrol(多用途任務用海上巡回警備)と明記している。
プレデターBシリーズはC-130輸送機による空輸を想定しており、現地での組立も簡便であるという運用の容易さも強みである。2名の操縦者による遠隔操作と自動操縦機能で、高度な監視、攻撃行動を行う。最大高度5万フィート、最大対気速度240KTASで最大27時間の運航が可能だ。
INSITU 社のブース
遠隔操作可能な無人機は、安全性、運用効率、価格等、高い費用対効果を持つ事から最近の軍需産業のトレンドの一つとなっている。
INSITUは米国ボーイング社の子会社であり、無人航空機とそのシステムを企画、開発、販売する企業だ。
Integrator
同社の無人偵察機の特徴の一つは、小型軽量であることと特殊な発射機と回収機を使用する事だ。写真は大型のインテグラである。米海軍が2013年より、同海兵隊が翌年より正式採用し呼称をRQ-21A Blackjack(ブラックジャック)と改めた。
ScanEagle
インテグレーターより更に小型の無人機がスキャンイーグルである。当初はマグロ等の大型回遊魚の探査を目的に開発されたが、高い耐久性と低価格により、ベストセラーとなった。改良を重ねながら製造を続けており、陸上自衛隊にも納入実績があるという。
翼を折り畳むと非常にコンパクトな形状になる。収納、運搬用のハードケースは、大型のスーツケースを縦長にした様な外観だ。後述する運用法の性質上、非常に頑強な作りをしており、翼の断面の構造等は企業秘密である。
動画説明によると、発射機(カタパルト)を用いる事で滑走路のような広いスペースを必要としないという。その回収の際は、柱に張ったワイヤーを使い空中で絡めとる。このため、スペースに限りのある航行中の船上等でも、安全かつ簡便に運用できる。
現代的なデザインのブースが立ち並ぶ中、日本式の佇まいを演出するブースがある。世界最大の軍需企業、Lockheed Martin 社だ。
具体的な展示はなく、もっぱら商談の為のスペースである。複数の国の軍関係者、企業がカンファレンスに参加していた。
日本庭園を模した松の木に石灯籠と白玉砂利。壁は障子と丸窓という凝り様である。棚の置物には、日本人形ならぬ同社航空機の模型が控えめに飾られている。
ロッキード・マーティン社のセンスと遊び心に驚き、感心させられる。日本人だけでなく海外のバイヤー達の興味も強く引き付けていた。
GE ゼネラルエレクトリック社は世界最大のコングロマリットであり、1878年創業という長い歴史を持つ企業だ。
創業者トーマス・エジソンの名を知らない日本人はまずいないだろう。エレクトロニクス産業、医療、鉄道、化学、金融等、その事業は多岐に渡る。本ブースのGE Marine(GE マリン)は、本年より発足した新組織である。海事事業を強化、推進し世界市場に展開する。
LM500 マリンガスタービン
船舶用ガスタービンエンジンは同社の主力製品だ。このLM500は軽量かつ低燃費であり、巡視船や水中翼船向けのモデルである。同クラスのガスタービンと比べ最高燃費を誇るという。各国の船舶に使用されており、日本では海上自衛隊はやぶさ型ミサイル艇等に搭載されている。出力6,130SHP(4,570kw)、パワータービンスピード7,000rpm
LM2500 マリンガスタービン
世界33ヶ国の海軍で使用されているベストセラーである。
海上自衛隊では、こんごう型、むらさめ型、たかなみ型、あたご型、ひゅうが型、いずも型と、近年の護衛艦の搭載エンジンはほぼ全てが、このLM2500である。高い熱効率が得られる優秀なエンジンであるだけでなく、非常に扱いやすい設計であることも特徴の一つだ。コンテナ化されたユニットは、搭載艦からの取り外しも容易であるという。出力33,600SHP(25,060kw)、パワータービンスピード3,600rpm
アビオニクス系通信システム開発大手、Rockwell Collins社のブースでは、RealFiresの商品展示を行っていた。
創業者ウィラード・ロックウェル氏の死後、通信関係の技術に特化した部門が独立して設立されたのがこのロックウェルコリンズ社だ。航空電子ソリューション、通信技術におけるパイオニアである。
同社の主力商品、TruNetネットワーク化通信ソリューション。
左から、GR-2000/2500(2ch)、TIGGR(1ch)、AR-1000/1500(1ch)、AR-2000/2500(2ch)
先月(5月)カナダ軍向けにお披露目された製品だ。
シュミレータシステムであるRealFires。
運搬移動が容易な設計で、大型のトランクに格納することで、一名の人員での移動が可能である。展開も容易で、トランクの上にラップトップPCを2台、インタフェース機器類を接続して即座に機能する。
バーチャルリアリティの世界を覗けるインタフェース。
レンズの向こう側は、高解像度で非常にリアルな風景が広がっている。
同社は世界中、すべての地域を三次元描画することができるという。この仮想世界もまた、世界のどこかに全く同じ地形が存在するという事なのだ。
某国の砂漠で作戦を展開している。
画面の中には、友軍の車両が陣を組んでいる。首を回せば360度、奥行きを感じる風景が続き、見上げるとM2機関銃が銃座に取り付けられた装甲車で移動している事を理解する。車両の移動はジョイスティックを使用する。パソコン画面では、上空から俯瞰して作戦行動を監視できる。
歩兵だけでなはく、航空機等、シュミレータの範囲は多岐に及ぶ。今回のフライトシミュレータは、F/A-18Eスーパーホーネットが用意されていた。
事故の心配がない上、訓練コストも安くする事ができる。それでいて、ゴーグルをかければ現実の世界と同じ状況での訓練ができる。
筆者は何度も任務に失敗して墜落してしまったが、過去の実験では中学生のビデオゲーマーがすぐに順応し、プロ並みの操縦技術を獲得したという。
Text: Acorn
Photo: Itsuya
https://report.militaryblog.jp/e674027.html
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MAST Asia 2015
Thu, 02 Jul 2015 11:26:16 +0900
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日本で初の国際軍事見本市「MAST Asia 2015」が開催
2015年5月 パシフィコ横浜にて日本初の国際的な防衛イベント「MAST Asia」が開催された。
日本で行われる防衛産業の見本市の開催は戦後初であり、海軍関係者及び沿岸警備員と地上管制に関するアジア最大級のイベントである。その為、国内外の防衛技術者、セキリュリティ事業者、自衛隊関係者、軍関係者が一堂に会する事となった。後援は、米国海軍第七艦隊、防衛省、経済産業省、海上自衛隊、オーストラリア国防省、UKTI(英国貿易対英投資部)等である。
MAST Asia
http://www.mastconfex.com/
丸文株式会社のブースでは「DG "DRUMGRANGE Ltd"」の製品展示を行った。
携帯型長距離音響装置
DRUMGRANGE社の音響技術を生かし、開発製造された携帯型の長距離音響装置である。長距離間での音声通信に有用。ドイツでの情報作戦等に使用された実績を持つ。高い音質、明瞭性を持ち、群衆、競技場、避難時、人命救助時の様々な騒音でも正確に指令、メッセージを伝達できる。
コントロールパネル。UHF無線を用いて、MP3プレイヤー又はマイクロフォンを接続可能。
スピーカー部。800mの優れた音響明瞭性を持つ。音圧レベルは138dB peak@1m at 1kHz。
小型軽量のリュックサック型。重量5.5㎏(スペアバッテリー除く)。
布地は複数の迷彩パターンが存在し、こちらは英軍の新型迷彩MTP(Multi Terrain Patern)仕様だ。
長距離音響装置
海洋製品製造の長い経験を持つ同社の音響技術を活かした長距離音響装置。1,500m以上の長距離において、高い音響明瞭性を持つ。(サイレン・警告音は2,000m以上)
海上はもちろん陸上でも使用可能。軍事通信、港湾・国境警備、商業海運、石油ガス油田等で使用される。
組み立て式の脚部。本装置は、収納箱から取り出して設置、動作開始までを一名の作業者によって15分以内に行えるよう設計されている。1~2人での持ち運びが可能。共通取付治具を使用し、三脚や船舶欄干等に設置が可能だ。アンプを内蔵し、DC・AC電源の何れも使用可。録音再生の為のMP3プレーヤ、ライフルスコープ、暗視照準器、カメラ、サーチライト等の補助装置の取付が可能。
インターロック、キースイッチ搭載のマイク。リモートコントロールも使用可能。音声照射時は、スピーカから120度の範囲(2ホーンは32m、4ホーンは64m)は立入禁止区域となる。それ以外のスピーカ周辺240度においては、イヤマフを使用する必要がある。
ボート搭載型耐環境型PC
海上阻止行動に従事する高速複合艇搭載用耐環境型PC。厳しいEMC要件、気候、環境条件に対応する。10インチディスプレイ、バックライト搭載、オプションでタッチスクリーンに変更可能。
IP67準拠の堅牢設計で、海上での運用に適している。外部インタフェースは、オーディオ、イーサネット、USB、シリアル、CAN-Bus、オプションでワイヤレス化も可能。
海上治安活動支援通信統合システム
小型・高速船舶向けデジタル内線・無線通信統合システム。小型船舶による沿岸警備・特殊作戦任務用の製品である。
User Node。
運用者毎にVOX通信起動感度の設定が可能。最大8台の無線、8名の運用者に接続可能。海上運用に適した堅牢設計であり、かつ、簡易操作、小型軽量、省電力が特徴。高速移動時の使用を踏まえ、片手で操作可能なデザインとなっている。
モジュール設計と直観的インタフェースの採用により、故障個所の発見が容易となった。特殊工具無しで行えるモジュール交換により、修理の簡便化が図られている。
サンプルとして接続されたPELTER製のヘッドセット。
この他、各社の多様なヘッドセット、リモートPTTを使用できる。また、完全に独立した、秘匿・非秘匿通信が可能である。
日本ブースは、海上自衛隊、新明和工業、川崎重工業、三菱重工業等が合同展示していた。
新明和工業株式会社 航空機事業部の展示。航空機模型とプロモーションビデオの放映を行う。
US-2型救難飛行艇
最大速度580km/h、巡航高度6,100m以上、ロールスロイス製AE2100Jエンジン4基搭載、最大離陸重量47.7t、最大離着水重量43.0t、後続距離約4,700㎞、行動可能半径は1,852㎞、日本全国はもとより排他的経済水域の全てを行動可能である。
消防飛行艇として約20秒の水上滑走で15tの水を汲み上げ、空中からの消火活動を行う。離島での医療支援や保全、海洋管理等の多様化が期待される。乗員11名。
海上自衛隊の展示見本 潜水艦そうりゅう
基準排水量2,950t、馬力8,000ps、速力20kt 長さ84×幅9.1×深さ10.3×喫水8.5m、定員65名。
海上自衛隊 MCH-101回転翼機
川崎重工業製造の掃海・輸送ヘリコプターである。ロールスロイス製RTM322-02/82-02/08エンジンで2,150馬力×3の大出力を得る。最大速力150kt、全備重量約14,600㎏、幅18.6x長さ22.8x高さ6.6m、定員4名。
海上自衛隊 P-1哨戒機
同じく川崎重工業製造、P-3Cの後継機として海上自衛隊が運用する、ターボファンエンジンF7-10×4発の中型固定翼哨戒機である。巡航速度450 kn。全長38×全幅35.4×全高12.1m 最大離陸重量79.7t、定員13名。
海上自衛隊 S-10 水中航走式機雷掃討具
防衛省技術研究本部開発の機雷掃討用遠隔操作無人探査機。三菱重工業製造。
機雷の探知、ソナー、機雷処分といった複合的作業をこなせる。各種のセンサーを駆使して機雷を発見、2つのTether cutter(係維機雷のワイヤの切断を目的とした鋏)、2つのDisposal charge(沈底機雷を誘爆させる爆薬)を備える。内部に動力は持たず、後部に結合されたケーブルを通じて送電と信号伝達を行う。全長3.4×全幅1.8m。
Laser Radar RLR-40
同じく三菱重工業製造の監視システムである。写真はカメラステーションで、対船用である。5,000m先の夜間の船上の人物を動画撮影できる性能を持つ。日中では7,000mの距離まで可能。Visualカメラや、IRカメラでは夜間の撮影は出来ても雨や霧の中では撮影出来ない。
しかし、レーザーレーダーは、レーダーにより目標までの距離を計測、レーザーを当て、反射で光がステーションに戻ってくる時間を計算し、到達する瞬間のみファインダーを開くという作業を連続するストロボの様にして撮影、それを繋ぎ合わせる事で非常にクリアな動画として録画できる。このレーザーは不可視光線である。
海上自衛隊 SH-60K 哨戒ヘリコプター
三菱重工業製造。SH60Jを基に哨戒性能を向上させた。新型のDipping Sonar、新開発高性能ローター、キャビンの拡大、着艦補助を行うShip Landing Assist System、戦闘状況を表示するAHCDS"Advanced helicopter Combat Direction System"を搭載した。
側面の25個の丸い模様は、ソノブイの発射口。
海上自衛隊の模型展示。写真はひびき型音響測定艦。
海上自衛隊の模型展示。写真はいずも型護衛艦。
UKTI(英国貿易対英投資部)
英国企業群へようこそ、と記されている通り英国の防衛産業との窓口となる。海軍、沿岸警備隊に向けたイベントであるmast asiaに合わせ、今回はヘイル・ハミルトン社 HALE HAMILTON の潜水艦システム向けバルブを紹介していた。
同社は1947年ロンドンで軍事産業会社として創業。減圧ステーション・マニホルド、弁室・分圧マニホルド、圧力計等のエンジニアリングデザイン、開発、認証試験サービスを提供する。
ATLAS ELEKTRONIK 社の展示
英国海軍向けの兵器開発、製造を60年以上行ってきた。水上戦闘用の戦闘員システムの構築、海底システム、無人潜水艇、海事警備等の技術を公開していた。
BAEシステムズ社 の展示。
軍需、国防、航空宇宙産業において大きな影響力を持つコングロマリットである。
BAE40 MK4
Bofors40 MK4 は世界の海軍、沿岸警備隊向けの40ミリ砲である。弾薬・システムの汎用性が高く、採用国は日本、欧州、アジア諸国、南米等数多く存在する。展示のヴォフォース40 マーク4は、ブラジル海軍500Tマカエ級巡視船5隻に搭載するため、部品の製造や品質管理、組み立てまでをブラジルで行う。
SAABのブース
Svenska Aeroplan AB(スウェーデン語でスウェーデン航空機会社)の名の通り、同国の軍用航空機の製造を目的として1937年に設立された。現在は民間機、通信機、ミサイル、無反動砲を手がける。(自動車部門は別会社化している)同社の長い歴史の中で、日本にこうした出店を行うのは今回が初めてであるという。
ダブルイーグル SAROV(サロフ)
海中探査、機雷除去を目的としたマシンは今回数多く出店された。それだけ、需要があるという事だろう。
ダブルイーグル サロフは、SAAB社ならではの流麗なデザインを持ち、内蔵のリポバッテリで電源供給無しで行動可能。ワイヤ接続の際は12kwの電源を用いる。長さ2.9×幅1.3メートル×高さ1m、重量540㎏、海中速度0-8knot、運用深度500m、ペイロード250㎏。水中調査任務に適し、REA、識別操作、水中物体の探査捜索作業の他、海底鉱山・油田の探査等にも使用可能だ。
Text: Acorn
Photo: Itsuya
https://report.militaryblog.jp/e668306.html
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MAST Asia 2015
Fri, 12 Jun 2015 18:58:58 +0900