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日本で初の国際軍事見本市「MAST Asia 2015」が開催

MAST Asia 2015
2015年5月 パシフィコ横浜にて日本初の国際的な防衛イベント「MAST Asia」が開催された。

日本で行われる防衛産業の見本市の開催は戦後初であり、海軍関係者及び沿岸警備員と地上管制に関するアジア最大級のイベントである。その為、国内外の防衛技術者、セキリュリティ事業者、自衛隊関係者、軍関係者が一堂に会する事となった。後援は、米国海軍第七艦隊、防衛省、経済産業省、海上自衛隊、オーストラリア国防省、UKTI(英国貿易対英投資部)等である。


丸文株式会社のブースでは「DG "DRUMGRANGE Ltd"」の製品展示を行った。

携帯型長距離音響装置
DRUMGRANGE社の音響技術を生かし、開発製造された携帯型の長距離音響装置である。長距離間での音声通信に有用。ドイツでの情報作戦等に使用された実績を持つ。高い音質、明瞭性を持ち、群衆、競技場、避難時、人命救助時の様々な騒音でも正確に指令、メッセージを伝達できる。

コントロールパネル。UHF無線を用いて、MP3プレイヤー又はマイクロフォンを接続可能。

スピーカー部。800mの優れた音響明瞭性を持つ。音圧レベルは138dB peak@1m at 1kHz。

小型軽量のリュックサック型。重量5.5㎏(スペアバッテリー除く)。
布地は複数の迷彩パターンが存在し、こちらは英軍の新型迷彩MTP(Multi Terrain Patern)仕様だ。

長距離音響装置
海洋製品製造の長い経験を持つ同社の音響技術を活かした長距離音響装置。1,500m以上の長距離において、高い音響明瞭性を持つ。(サイレン・警告音は2,000m以上)
海上はもちろん陸上でも使用可能。軍事通信、港湾・国境警備、商業海運、石油ガス油田等で使用される。

組み立て式の脚部。本装置は、収納箱から取り出して設置、動作開始までを一名の作業者によって15分以内に行えるよう設計されている。1~2人での持ち運びが可能。共通取付治具を使用し、三脚や船舶欄干等に設置が可能だ。アンプを内蔵し、DC・AC電源の何れも使用可。録音再生の為のMP3プレーヤ、ライフルスコープ、暗視照準器、カメラ、サーチライト等の補助装置の取付が可能。

インターロック、キースイッチ搭載のマイク。リモートコントロールも使用可能。音声照射時は、スピーカから120度の範囲(2ホーンは32m、4ホーンは64m)は立入禁止区域となる。それ以外のスピーカ周辺240度においては、イヤマフを使用する必要がある。

ボート搭載型耐環境型PC
海上阻止行動に従事する高速複合艇搭載用耐環境型PC。厳しいEMC要件、気候、環境条件に対応する。10インチディスプレイ、バックライト搭載、オプションでタッチスクリーンに変更可能。

IP67準拠の堅牢設計で、海上での運用に適している。外部インタフェースは、オーディオ、イーサネット、USB、シリアル、CAN-Bus、オプションでワイヤレス化も可能。

海上治安活動支援通信統合システム
小型・高速船舶向けデジタル内線・無線通信統合システム。小型船舶による沿岸警備・特殊作戦任務用の製品である。

User Node。
運用者毎にVOX通信起動感度の設定が可能。最大8台の無線、8名の運用者に接続可能。海上運用に適した堅牢設計であり、かつ、簡易操作、小型軽量、省電力が特徴。高速移動時の使用を踏まえ、片手で操作可能なデザインとなっている。
モジュール設計と直観的インタフェースの採用により、故障個所の発見が容易となった。特殊工具無しで行えるモジュール交換により、修理の簡便化が図られている。

サンプルとして接続されたPELTER製のヘッドセット。
この他、各社の多様なヘッドセット、リモートPTTを使用できる。また、完全に独立した、秘匿・非秘匿通信が可能である。

日本ブースは、海上自衛隊、新明和工業、川崎重工業、三菱重工業等が合同展示していた。

新明和工業株式会社 航空機事業部の展示。航空機模型とプロモーションビデオの放映を行う。

US-2型救難飛行艇
最大速度580km/h、巡航高度6,100m以上、ロールスロイス製AE2100Jエンジン4基搭載、最大離陸重量47.7t、最大離着水重量43.0t、後続距離約4,700㎞、行動可能半径は1,852㎞、日本全国はもとより排他的経済水域の全てを行動可能である。
消防飛行艇として約20秒の水上滑走で15tの水を汲み上げ、空中からの消火活動を行う。離島での医療支援や保全、海洋管理等の多様化が期待される。乗員11名。

海上自衛隊の展示見本 潜水艦そうりゅう
基準排水量2,950t、馬力8,000ps、速力20kt 長さ84×幅9.1×深さ10.3×喫水8.5m、定員65名。

海上自衛隊 MCH-101回転翼機
川崎重工業製造の掃海・輸送ヘリコプターである。ロールスロイス製RTM322-02/82-02/08エンジンで2,150馬力×3の大出力を得る。最大速力150kt、全備重量約14,600㎏、幅18.6x長さ22.8x高さ6.6m、定員4名。

海上自衛隊 P-1哨戒機
同じく川崎重工業製造、P-3Cの後継機として海上自衛隊が運用する、ターボファンエンジンF7-10×4発の中型固定翼哨戒機である。巡航速度450 kn。全長38×全幅35.4×全高12.1m 最大離陸重量79.7t、定員13名。

海上自衛隊 S-10 水中航走式機雷掃討具
防衛省技術研究本部開発の機雷掃討用遠隔操作無人探査機。三菱重工業製造。
機雷の探知、ソナー、機雷処分といった複合的作業をこなせる。各種のセンサーを駆使して機雷を発見、2つのTether cutter(係維機雷のワイヤの切断を目的とした鋏)、2つのDisposal charge(沈底機雷を誘爆させる爆薬)を備える。内部に動力は持たず、後部に結合されたケーブルを通じて送電と信号伝達を行う。全長3.4×全幅1.8m。

Laser Radar RLR-40
同じく三菱重工業製造の監視システムである。写真はカメラステーションで、対船用である。5,000m先の夜間の船上の人物を動画撮影できる性能を持つ。日中では7,000mの距離まで可能。Visualカメラや、IRカメラでは夜間の撮影は出来ても雨や霧の中では撮影出来ない。
しかし、レーザーレーダーは、レーダーにより目標までの距離を計測、レーザーを当て、反射で光がステーションに戻ってくる時間を計算し、到達する瞬間のみファインダーを開くという作業を連続するストロボの様にして撮影、それを繋ぎ合わせる事で非常にクリアな動画として録画できる。このレーザーは不可視光線である。

海上自衛隊 SH-60K 哨戒ヘリコプター
三菱重工業製造。SH60Jを基に哨戒性能を向上させた。新型のDipping Sonar、新開発高性能ローター、キャビンの拡大、着艦補助を行うShip Landing Assist System、戦闘状況を表示するAHCDS"Advanced helicopter Combat Direction System"を搭載した。
側面の25個の丸い模様は、ソノブイの発射口。

海上自衛隊の模型展示。写真はひびき型音響測定艦。

海上自衛隊の模型展示。写真はいずも型護衛艦。

UKTI(英国貿易対英投資部)
英国企業群へようこそ、と記されている通り英国の防衛産業との窓口となる。海軍、沿岸警備隊に向けたイベントであるmast asiaに合わせ、今回はヘイル・ハミルトン社 HALE HAMILTON の潜水艦システム向けバルブを紹介していた。
同社は1947年ロンドンで軍事産業会社として創業。減圧ステーション・マニホルド、弁室・分圧マニホルド、圧力計等のエンジニアリングデザイン、開発、認証試験サービスを提供する。

ATLAS ELEKTRONIK 社の展示
英国海軍向けの兵器開発、製造を60年以上行ってきた。水上戦闘用の戦闘員システムの構築、海底システム、無人潜水艇、海事警備等の技術を公開していた。

BAEシステムズ社 の展示。
軍需、国防、航空宇宙産業において大きな影響力を持つコングロマリットである。

BAE40 MK4
Bofors40 MK4 は世界の海軍、沿岸警備隊向けの40ミリ砲である。弾薬・システムの汎用性が高く、採用国は日本、欧州、アジア諸国、南米等数多く存在する。展示のヴォフォース40 マーク4は、ブラジル海軍500Tマカエ級巡視船5隻に搭載するため、部品の製造や品質管理、組み立てまでをブラジルで行う。

SAABのブース
Svenska Aeroplan AB(スウェーデン語でスウェーデン航空機会社)の名の通り、同国の軍用航空機の製造を目的として1937年に設立された。現在は民間機、通信機、ミサイル、無反動砲を手がける。(自動車部門は別会社化している)同社の長い歴史の中で、日本にこうした出店を行うのは今回が初めてであるという。

ダブルイーグル SAROV(サロフ)
海中探査、機雷除去を目的としたマシンは今回数多く出店された。それだけ、需要があるという事だろう。
ダブルイーグル サロフは、SAAB社ならではの流麗なデザインを持ち、内蔵のリポバッテリで電源供給無しで行動可能。ワイヤ接続の際は12kwの電源を用いる。長さ2.9×幅1.3メートル×高さ1m、重量540㎏、海中速度0-8knot、運用深度500m、ペイロード250㎏。水中調査任務に適し、REA、識別操作、水中物体の探査捜索作業の他、海底鉱山・油田の探査等にも使用可能だ。

Text: Acorn
Photo: Itsuya


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